夢・・・

□それは、雨のように
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君は、歌っていたでしょう?

美しい歌を。

それは、空から降って胸の中にそっと染みこんで…。

深く、柔らかい場所に今も…。



「なぁに、やってるんですか?酒井さぁん?」

床に、しゃがみ込んでスコアを並べて行くその人に右上後方から覗きん込んで話し掛ける。

「いや、何でもないんです。だた、ちょっとスコアが一枚足らないだけで」

何でもないんです。

なんて、言葉の意味と反比例する焦った声と、額ににじむ冷や汗。

「へぇっ?大変じゃないですか!?最後に見たのはいつですか?コピーとか取ってないんですか?」

「いや、ハードディスクの中にはあるんだよ。でも、今日これをサウンドクリエーターさんに出さないと…(云々)」

なんだか、ぶつぶつと言いながら語尾はもう、独り言になっている。

こうなっちゃうと、何言っても右から左。

じっと、心配で口出ししたいのを我慢しながら隣にしゃがみ込む。

がさがさと、スコアを広げて一枚一枚並べて行く作業を見つめる。

「…………」

「………………っああ!!」

「え?!」

「あった、ありましたっ!あぁぁああぁぁ!もう、ありがとうございますっ!!」

ザクザクと広げたそれを掻き集めて、ファイルにしまうと勢い良く立ち上がって、私の手をとってブンブンと振り回すと、奇麗な歯並びをみせて二カッと笑ってみせる。

そんな、表情に今さらながらクラクラとなってしまう。

「君がね、くれた曲だからね。絶対に良いものにしてみせますよ?」

そう、にっこりと笑うけど…。

私には、一向に覚えがない。

「はい?私曲なんて酒井さんに贈った事ないです。」

「君が、歌っていたでしょう?ずっと、前から…君に出会うずっとずっと前から。
俺は、君の歌声を聞いた事がありますよ?」

大真面目に、何を冗談みたいな歯の浮く台詞を言ってるの?

なんて、思ったけれど…。

貴方の表情も私に「何言ってるんですか?」って具合にきょとんとしている。

「素敵な曲だからね。絶対かたちにしますね?」

貴方は、そう言ってちょこんと頭を下げると、大股で去って行く。

「…………?う…た?私が?」

大股で去って行く後ろ姿を見送りながら…独り言のように疑問をポトンとポケットから落としてしまうように、こぼす。

「歌ってたのは…酒井さんでしょう?」



君は、歌っていたでしょう?

美しい歌を。

それは、空から降って胸の中にそっと染みこんで…。

深く、柔らかい場所に今も…。
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3283(笑)GETのさるるん様へ。

意味不明ですか?意味不明ですよねぇ〜…

返品不可でございますっ!

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