夢・・・
□眠り姫
1ページ/1ページ
「……かお、薫」
『なぁに?』
「今日、帰って来れる」
帰って…だって、ココは私の部屋で薫の部屋じゃないのに思わず言っちゃう。
ココは薫の帰ってくる場所だと思いたい。
『ごめんなぁ〜、今日は無理っぽいわぁ』
「ぁ…ううん、いいよいいよ。お仕事だもん」
『明日は帰るからね』
ソレだけのシンプルな会話はプツリと切れる。
本当なら淋しいなぁ。って思うはずなのに私の胸はほんわか暖かい。
何度も何度も最後の言葉を口の中で反芻する。
明日は帰るからね
帰る。
彼はココに「帰って」くる。
なんて、幸せだろう。
淋しいなんて欠片も思わない。
思うわけがない。
彼は、ココに、私に帰ってくる。
今日は彼の「言葉」を聞いたから、声はもういらない。
幸せな気分で、彼の好きな曲を聴きながら帰りを待つ。
一晩待てば、彼が帰ってくる。
心地よい、音の洪水に包まれて私は幸せな夢へと落ちていく。
彼が居ないのにこんなに幸せな夜を過ごすのは初めてで、彼が居ないのにこんなに幸せな夢を見るのは初めてで…。
待つのも悪くないなぁ…。
なんて、思ったりして。
ふと感じた温もりが、全身に広がって目が覚める。
「眠り姫を起す王子様になった気分だなぁ。」
小さく笑う彼の顔が間近にあって、一気に目が覚める。
「薫?!」
「クス…ただいま。眠り姫」
朝の明るい光に包まれて、王子様のキスを受け私は幸せな朝へ目を覚ます。
=============
すみません(汗)全然甘々じゃないし、前回の続きになってないし、お望みのシーンも微妙だしっ!ごめんなさいぃぃっ!!(逃亡)