夢・・・
□t.4.2.
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君に会いたくて。待ち合わせのあの店へ向かう。
乾いた音をたてて、店の扉を開くといつものあの席に君が入り口の方を向いて座っている。
まだ、俺が入ってきた事に気付かない君は、少し睫を伏せて…なんとなく…元気が無いような気がした。
コーヒーを一口飲んで、伏せていた目を上げた君は、僕に気付き明るい笑顔で、僕に軽くてを振ったね…。
本当は、もう少し君のその悲しそうな表情を見つめていたかった。なんて、言ったら君は怒るかな?それとも…いつもの笑顔で笑うだろうか?
淡い、紅い光に満たされたその店内を、ゆっくりと歩いて、君の前に腰を降ろす。
この店には、時間がない。
だから、俺もココに来る時は時計をはずす。
君との時間が終わらないように、それは子どもっぽいおまじないの様な行為かもしれないけれど…。
君は、僕にとって大切な女性だから。
時間のないこの箱の中で、君の時間を少しだけ分けてもらう。
「何でかなぁ?貴方に話すと少しだけ楽になるよ…」
そう、笑う君に僕の胸は、キシリと音を立てる。
「友達だかんな、愚痴ぐらい聞いてやるよ。仕方ないからさ。」
ワザトらしいくらいに、笑いながらそう言う俺の言葉に、嬉しそうに綺麗に笑顔を作る君。
『そんなヤツ辞めて、俺にしろよ。』
そんな風に、俺が言ったら君のその笑顔は…俺のモノにできるの?
それなら、君と一緒に時間を刻むこの箱の外へ、出ていけるのにね…。
それは叶わない事だから、時計を外して…紅く染められたこの箱の中で君との時間が過ぎ去らないように。
そう…、ずっと時計を外したまま…。
いかがでしょう…(汗)崇人様。こんなのへぼいモノで申し訳ありません。(ぺこ)