白昼夢

□僕のかわいいあなた
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僕のかわいいあの子は、女の子のような女性だ。

自分に何処までも自信がなくて
「私なんか」とすぐ言う。

かと思えば、頑固で僕のアドバイスなんて耳を貸さない。

「その服、ベストを合わせたらもっと可愛いんじゃない?」
ってこの間、言ってみたら少しムッとして
「センスがなくてゴメンね」
と、俯いてしまった。

僕のかわいいあの子は、僕に鈍感だというけど、自分は僕のコトなんてこれっぽっちもわかっていない。

待ち合わせをしても遅刻する癖に、僕が遅れた時はデートの間中不機嫌。
僕は、恥ずかしそうに笑うあの子が大好きなのに。

「あなたの気持ちがわからない」
って、いうクセに
「大好き」って言ったら、「そんなコト言ったら勘違いする」って。

僕のかわいいあの子は、話すのがあんまり上手じゃない。

自分が感じてるコトを僕にも一緒に感じて貰いたいのに。

「なんかモヤモヤするの、考えても仕方ないのに」

って...。

それじゃぁ、鈍感な僕には何も共感してあげられない。

「明日、初めて会う人がいるの」

なら、あの子のコトを何でも分かってる僕なら

「ドキドキするよね。話出来るかな?話題の本でも買いにいく?」

って、ちゃーんとわかってあげられるのに。


僕のかわいいあの子は、女の子みたいな女性だ。

フワフワの綿毛に包まれて、危なっかしい。
でも綿毛が風に翻弄されて錐揉みになるから、今もどっちを向けばいいのか迷ってる。

僕は、ずっと、あの子がそこから出て来るのを待ってるのに。
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