白昼夢

□仕方のないひと
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枯れてしまう

歌が
枯れてしまう

間違えてない?
アナタのエゴじゃない?


その言葉で誰かが離れていくんじゃない?

そう、何度もいった彼女は
もう、僕の元には居ない。

何度となく
そう、何度も
彼女は僕に警告してくれていた


呆れ顔で

「仕方のない人ね」

と、苦笑いをしてはため息をもらしていたあなた。

「歌う為なら誰を傷つけてもいいの?」
ため息をつく彼女

あなただけは僕が何をしても困った顔で笑って
傍に居てくれると
思いこんでいた。

傍にいて
僕を抱きしめて水を与えてくれると

信じていた


バカだね。


バカだよね。


「仕方のない人ね」
夢の中のあなたは
うずくまり泣く僕の髪を優しく撫でる

「本当に、仕方のない人」


そう、僕は仕方のない奴なんだ。

「ダメな人」

そう、困ったように笑って僕を包んで欲しいのに



歌が

枯れてしまう

あなたがいないと

歌が

枯れてしまうんだ

「仕方のない人」

今、僕の髪を撫でる温もりは

幻?

それとも

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