連載2

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あれから何回かユウジの家に行ってみんなで何か手はないか考えとるけど、一向に良い案が浮かばへん。

そうしてる間にも刻々と死神が言うた期限は近付いてきとるらしい。


俺たちの前では元気に振る舞うユウジの姿が痛々しい。励ますことしかできひん自分が腹立たしい。



今日も今日とて特に進展もなく、もう帰ろうかと玄関で靴を履いてるときユウジが口を開いた。





「…なあ、お前オカルト探偵部ちゅうのにはいっとったよな?」

「それがどないしたん?」

「数日前、そこの部長をやってるって女子が訪ねてきたんや」

「由良が…っ!?」





驚きのあまり俺は靴を履いていることも忘れ土足のままユウジに詰め寄った。





「アイツ何しにここに来てん!」

「匿名者の依頼を請けて事件の概要を聞きに来たって。10分くらいしか話さへんかったけど。その子はこのルービックキューブのこと聞いてきたで」





やっぱり、由良はすごい。少し話を聞いただけでルービックキューブの存在に気が付いたんや。せやからあの時も俺が持っとることを知っとったんや。





「もしお前らがここに来ても私のことは内緒にしといてって言うてた。でも…やっぱり話しといたほうがええ気がしてな」

「……分かった。おおきにユウジ。また来るわ」

「おん、…頼む」





ユウジを気遣ってやる余裕は今の俺にはなかった。フラフラと覚束ない足取りでユウジの家を出る俺の後ろを財前が着いてくる。





「小春先輩はもう少し残るそうッス」

「さよか」

「……一人で動いてたんスね。由良先輩」

「………そやな、」

「俺や白石先輩の言ったこと分かりました?」

「っ…」





"言葉だけが全てやない。思ったことを言わなかっただけか嘘をついた可能性やってある"

"あの人ってなんでも1人で抱え込むようなところありません?"





二人の言っていたことがやっと分かった。きっとあのときのは芝居やったんや、俺たちが関わらないようにするための。


ずっと傍におったのに、それに気づいたのは俺やなくて白石や財前。俺はといえばほんま自分のことばっかで…


どんだけ自分に失望したらええんやろ。





「これからどうします?」

「考える……今日はもう解散や」

「…りょーかいッス」





どんな顔で由良に会えばいいんや…





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