捧げ物

□蒼いとり
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僕らは任務に出る前には必ず手紙を書く
毎回変えてもいいし同じ手紙を使い回すこともある
そういう決まりがあるわけではないがいつの間にか浸透していた伝統
書いた手紙は自分で保管するなり仲間に託すなりして決められた時に開ける
リオの場合はそれは1ヶ月連絡がつかなければ開くことになっていた

リオは何を考えているのか知らないがいつも書き直して僕に渡してくる
しかも前の手紙を回収してくれないから溜まっていくばっかりだった


パチン

手紙の封筒の上部をハサミで切り落とした音が僕を現実に引き戻した



アルト
この手紙が開かれてしまったということは俺は1ヶ月も連絡を取れていないということか
俺もまだまだだなぁ
俺からは一つ、俺を、俺の班員どもを信じろ
方向音痴はいるわ、
死体が上がらない限りは生きてるんだろうどっかで、ぐらいに思ったいて欲しい
俺はお前から一勝するまでは死なねぇよ
リオ・エディット



あぁそうだ思い出したよ、リオ
君はカードで僕に勝てる日がくるまでは死ねないとずっと言い続けてたね
もし勝った日はどうするつもりだったんだい?
でも僕はその約束があったから君は死なないと信じれたんだ
ありがとう、この手
紙は君からの信頼の証だったのかもしれないね

だから早く帰ってきてよ
カード用意して待ってるんだから


それから1週間後、リオの班の担当だった村から情報が入ったと聞いた僕は部屋を飛び出した
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