捧げ物

□蒼いとり
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そうして蒼い鳥は空に溶けた


時は戦乱の世、移動するのにも数々の危険と隣合わせになるこの時代、遠い地の情報を得るには手紙しか手段は残されていなかった
そんな手紙を届ける彼らの事を人々は空色の制服と決して定住しないその姿を蒼い鳥と呼んだ


情報とは時に武器ともなる、だから僕たち配達人は常に危険と隣合わせにいるのだ
仲間が仕事中に死ぬなんて珍しくない
今さら驚きなどしない


だけどその言葉を聞いた時、僕は信じなかった
『リオのとこの班が行方不明らしい、軍の精鋭に間違われて殺されたっていう話もある』
リオが死ぬはずがない
根拠のないその思いはずっと心にあった

リオの班は山岳班といい山間の街や村に手紙を届けることが中心だった
リオを始めとした彼の班員は全て山間部出身でリオが最高のチームだと嬉しそうに自慢していた
彼がそこまで信頼している班なのだ、きっと何かあって連絡が取れなくなっている
そうに違いない

しかしいく日待ってもこない連絡、もう諦めかけている周りの仲間たち
それらは僕の心を折るのには十分すぎる原因材料だった

「リオ、君は今どこにいるのかい?」
返ってくるのない問いかけを幾度しただろうか

そうし
てリオの行方がわからなくなって1ヶ月
僕は机から一通の手紙を取り出してハサミを手に取った

宛名は僕、差出人は…リオ・エディット
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