短編

□霞の魔女
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霞の魔女と言われた瞬間から不機嫌になっていた女性はキノコの話が出た事に疑問を覚え表情が和らぐ
「何の為に君はキノコが欲しかったんだ?」
「ユージスが、私の幼なじみが黒咳病にかかって、もう幻のキノコでもない限りは助からないって言われて」
「それで探しに来たってわけか」
「はい…」
「黒咳病か…確かに万能薬は持ってないがな、どうしてあたしが霞の魔女って言われ始めたか知ってるか?」
「いえ知らないです」
「今は不老不死の魔女の代名詞だって言われてすごい不快なんだがな」
「ごめんなさい」
「別にいいさ、どんな症状にも合わせて薬、調合します。それがあたしのモットーであり仕事さ」
「でも黒咳病って薬ないんじゃ…」
「あるよ、あたしはどんな病気の薬も作れるんだよ」
それにしても黒咳病とはね
そうぼやきながら女性は山小屋の中に入っていったがすぐに顔を出した
「あの…」
「薬はすぐに調合してやるよ、入っておいで」
「はいっ、ありがとうございます!」
これでユージスが助かると思うと私は嬉しくなった
女性の後に続いて山小屋の中に入ると大量の小瓶と本、そして見たこともない様々な種類の植物の数々
「そこらへんに座っときな、お茶が欲しい
なら悪いけどそこのポットの中にあるから自分で適当に飲んで」
「はい、ありがとうございます」
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