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□*CUTY HONEY*
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今日は某音楽雑誌のインタビューとaccess元旦ライヴの打ち合せがある。久々にだいちゃんと一緒のお仕事。打ち合せ後はこれまた久し振りに一緒に、オレの部屋へと帰る予定。
オレのCUTEな最愛のハニーに驚きのプレゼントを用意している。
「赤」が大好きなハニーだから気に入ってくれる筈………。ふふふ。
『ほら!馬鹿ザル!!何ニヤついてんの!!話し聞いてるの!?』
安部ちゃんのカミナリが落ちる。
いかん、いかん、今は打ち合せ中……っていっても、隣ですましているハニーとは、久々に長時間居られる訳で。嬉しくない訳ないじゃないかと、打ち合せが終わるのが待ち遠しい。
そわそわしていると、ハニーが俺の腕をつねってきた。
『ヒロったら、解り易すぎ……落ち着きなよ、あとちょっとなんだから。』
と、コッソリ話しかけてきた。………大人しくしておかなきゃ。
うんうん、と神妙な顔をして相槌を打ってる間に、打ち合せも終わり、みんな「お疲れさま」を合図に解散してゆく。

『だいちゃん、駐車場から車だしてくるから、入り口で待っててね?』
『りょーかい♪』
早く帰りたくてウズウズ。後部座席の紙袋の中身にもワクワク。
入り口でだいちゃんを助手席に座らせると、アクセルを踏み、オレん家を目指す。
都心の街路樹は、イルミネーションが施され、クリスマスを迎える準備を始めてる。
『………ヒロ、何か企んでる?』
ドキリ。
流石勘が鋭い俺のハニー。『い、いや普通だよ?イルミネーション見てて、クリスマスも一緒に居られたらなぁって考えてただけだよぉ。』
『それならいいけど…。』『あ、帰ったらプレゼントあるケド……。』
『誕生日のは貰ってるけど、他に?』
『んー、サプライズ。』
突っ込みが鋭い。やはり、侮れないぜ、ハニー。
『ヒロ、鼻の下が伸びてる……妖しいなぁ。』
『オレってそんなにヘラヘラしてる?』
すぐ顔に出るタイプだけどさ。
『してる、してる!!やっぱり何か企んでるんでしょ。』
『いやいや………。』
『ぜーったいおかしい!!』
『気の所為、気の所為。』
そうこう話をしてるうちにオレのマンションに着く。駐車場へと車を停める。車から出るときに例の「紙袋」を持ち、マンションの扉まで歩いていく。
『そのクリスマス仕様の袋がプレゼント?』
『うん、そう。』
『妖しげなカンジ……。』
と、だいちゃんは、身の危機を感じてる様で。疑いの視線が刺さって痛い。
マンションの入り口まで来て、暗証番号で扉を開けると、エレベーターのボタンを押す。
ポーン、と優しい音がして扉が開く。二人乗り込み、10階のボタンを押す。
だいちゃんは袋の中身が気になる様で、視線が落ち着かない。
『きっと、だいちゃんは、喜ぶよ?「赤い服」だから。』
『………まさかサンタク・・・。』
そう言い掛けたトコロで、オレはだいちゃんの赤い濡れた唇を奪う。
エレベーターが10階で再びポーンと鳴って停まる。
だいちゃんの手を繋いでさっさと、自分の部屋へと向かう。
『……まぁ、似たようなものだけどねぇ……。』
とオレは呟いた。
オレの部屋のドアを暗証番号で開ける。だいちゃんを押し入れるように部屋に上がらせ、ソファーにすわらせる。紙袋も、ソファーの横に置く。
『だいちゃん、いい貴腐ワインが手に入ったんだよ。甘いから好きでしょ?』
『うん。好き。』
白ブドウに黴を生えさせて発酵させた貴腐ワインはアルコール度数が高いのに、甘くて飲みやすいデザートワインだ。
まずは、だいちゃんを少し酔わせてしまおう。グラスとワインをキッチンから運んでくると、だいちゃんは、クラッカーとチーズを一緒に乗せて頬張っているトコロだった。
よしよし。計画は上手くいきそうだ。
オレは、ハニーの横に座り、貴腐ワインをだいちゃんのグラスに並々と注いだ。
『それにしても、明日も、オフだからゆっくりできるし、嬉しいね。』
と、だいちゃん。
可愛いハニーに今からさせようとしてるコトに、多少の罪悪感を抱きながら、
『そうだよね!久々のオフ♪楽しもうね?』
とオレは返事をした。
『ん〜、なんか、いい気分♪♪♪』
と、ハニーが言う。
そろそろ、紙袋の中身、出してみようかな!?
『だいちゃん、これ……。』
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