access to ACCESS

□ESPECIALL BIRTHDY 〜Happy Marriage〜
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今日は、11月1日。僕の愛しい人は何をしてるのかな・・・。

僕は今ドイツ。初めてのヒロと離れての、バースデー。
そう想うと、なんか、寂しく感じる。いつも当たり前だったもんね・・・。


去年はヒロのサプライズがあったよね、結婚式。天邪鬼の僕も、思わず泣いてしまったもん。


今年は、電話でお祝いしてくれて、帰ってからプレゼントくれるぐらいだろうけど、一人の誕生日は虚しい。

なんとなく空を見る。
お互い違う場所に居るけれど、それでも、ぐるりと、地球という名の天体で、繋がってる。

ヒロもこの空を見上げているのだろうか。

ヒロはもう六日に追加公演が決まってる。

流石に「逢いたい」と言えない距離・・・。我が儘な僕でも、言えないね。


夜も更けた。
ホテルに戻って、寝るとしよう。

次の日も、何の滞りもなく、スタジオでの仕事は過ぎていった。
「逢いたい。」なんて言っちゃいけないね。仕事できてるんだから・・・。

でも・・・。
やっぱり傍に居てくれた人と離れているのは、当然、日々辛くなってくもので・・・。
スタジオ内でボーッとするコトとため息をつく事が、多くなった。

僕の変化を見破る得意業を持った、安部マネが部屋に入って来て、僕の頭をぽんっ、と叩いた。
『さっきから、ため息ばかりついちゃって、ホームシック?』
くすり、と笑って肩に手を置いた。
『んーまー、そんなトコかな?』
まさか、「ヒロに逢いたい」なんて言える訳が無い。『まあでも、頑張りなさいよ!!お正月のaccessのイベントって、ご褒美があるんだから。』
『そだねー。でも冬のaccessなんてヘンだよねっ。似合わない。』
僕の顔に、やっと笑顔が戻った。
『あら?仕事随分早く進んでるんじゃない?大介無理するタイプだから、誕生日だし、3、4日はオフでいいわよ!』
ぼ、墓穴を掘った気が・・・。
独りでホテルでどう祝うってんだよ。
教会巡りでも、してみようかしら。

安部マネが出ていって、数時間が経ち、仕事を終わらせて時計を見たら、12時を回っていた。
コートを着て、外へ出る。僕は突然出来た、オフの過ごし方を考えながらホテルへと向かった。

〜〜♪〜〜♪〜〜♪
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
け、携帯が鳴っている。
もう〜もうちょっと寝かせてよ〜、と思いつつ着信の名前が、
『・・・ヒロぉ〜!?』
慌てて通話ボタンを押す。なんでぇ〜!?
『だーいちゃん、来ちゃったぁ〜!!』
『6日追加公演なのに大丈夫なの!?』
『あ、覚えててくれたんだ?』
『今どこ??』
『どこってこのホテルのロビーだよ?』
『シャワー浴びたらヒロんとこ行くから、暫く待ってて!』
ぷちっ、と電話を切ると大急ぎでシャワーを浴びる。
あの人はいっつもサプライズなんだから・・・。
でも、顔はにやけてくる。正直嬉しいもん。今日をオフにしてくれた安部マネには感謝だね。
大切な髪の毛のセットも終わり、服を着て、ロビーへ向かう。
早く降りないかな?エレベーター!!
ぽーん、と優しい音をして、エレベーターのドアが開いた。
こちらを向いて、壁に寄り掛かってるヒロに抱きつく。
『逢いたかったよ
『オレも逢いたかったよ・・・でも、ここ、ロビー・・・。』
はっと気付いて、すかさず離れる。
『あはは・・・。』
お互い照れて真っ赤になった。
『でも、なんでヒロがここに居るの?』
小首を傾いで聞く。
『空を見てたら、だいちゃんが呼んでたから。』
ドキッとする発言を言ってくれちゃうヒロは凄い。
『キザだねー、ヒロ。また似合っちゃうところが凄いね!』
『ロクデナシですから。』
2人で大笑いした。
『とりあえず荷物、だいちゃんとこ置いていい?』
『いいよ〜狭いけど。』
2人で、また、エレベーターに乗って僕の部屋へ向かう。
ぽーん、とまた優しい音をしてドアが開く。
僕の部屋を開けて荷物を入れると、ヒロが僕をぎゅっと、力強く抱き締め、キスをしてきた。長い長いキス。まるで逢えなかった時間を埋める様に。
『ひ、ヒロ、苦しいよ・・・』
『あ、ゴメンゴメン、久々だったから、つい。』  『もう〜。今から外へ出よう?』
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