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□きすゆー、きすみー☆
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ぴんぽーん。

ボクはお隣さんの家へ、遊びにやって来た。昨日はライヴの準備やミーティングで忙しかった。

頑張ったご褒美に、と、2人とも、夜までオフをくれたんだ。

『あ、ドア開いてるから、入っていいよ〜。』
こう言うトキのヒロは、何かに夢中になってるトキだ。

いつもなら、ドアを開けて玄関で、やさしく抱き締めてくれるのに。

悔しくて、
『残念ながら、今日はケーキの差し入れがあり、手がふさがってまーす。』
と言ってみた。

やさしいヒロはやっぱり、玄関まで迎えに来てくれた。

今日はボクからヒロを抱き締める。持ってるケーキの箱を落とさないように。

『あらっ?だいすけさんったら、今日はダイタンなのねっ。』
ヒロが、オネェ言葉で言ってきた。

『ヒロっ、きもちわるいよ・・・』

気に入ったのか、

『あらそお?みんな、セクシーだって、言ってくれるのに。』
1人でポーズを決めながらいるヒロを無視して、キッチンからお皿とフォークを出し、ケーキを用意する。
紅茶を入れてる間、テレビからは、懐かしいリズミカルな音楽が流れていた。

ソファに戻ったヒロに、チョコケーキを手渡すと、画面を見る。

ぼ・・・ボクがピンクのスーツにリボンをつけてキーボードを弾いている。

『ヒロ、やあだぁ・・・』
照れてると、
『今度のライヴは三部作やるでしょ?ちょっと見てたのよ。』

『やっぱ、だいちゃんはすごいな。』

ヒロはそういってくれた。
うれしい。ちょっと隙間をあけて座ってたボクは、ヒロの肩にちょこんと、アタマを乗せてみた。

ヒロの手の平がのび、いいこいいこしてくれる。

メロディアスな音楽に変わると、モデルだったオトコノコが出てくる。ヒロをイロイロと追いかけながら。

『このトキ、モデルのオトコノコにやきもち妬いてた。』
ボクがなにげなしに、ポロリと言った。

初耳〜ってカンジで僕を見た。
この頃はまだお互い気持ちもはっきりしていなくって、何となくこのコにジェラシーを感じてた。

『じゃ、今は???』
と、ヒロはニヤリとして、顔を覗いてきた。

『ひーみーつー☆』
と言ってみた。
そしたら、ヒロはボクの顔を覗き込最高な笑顔で、
『「やっぱり、ヒロ、大好き!!」て顔に書いてあるよ。』

『もぉお〜、大バカヒロ!!』
テレるじゃないか・・・。

そして、次にはアップテンポのバラードが始まった。
ヒロが、
『この、抱きしめあって、離れるとき凄い辛かった。』
そう、この頃には、ヒロ、このPVで、気持ちが、ボクにあってたってたって言ってたけ。

『あの、沈黙期間があったから、気持ちが強くなった、かな?』
ヒロが急にふわぁっと抱きしめてきた。ビデオは終わっていた。

ボクたちは、お互い包み込むように抱きしめあった。
『たまには昔のPVとか見るのもいいねー。』
ちゅっと、ヒロはくちびるにキスしてくる。

『二人だけのライヴ、成功させようね〜』
くちびるを離して言ってくる。
うん、とうなずく間もなく、またヒロがキスをした。

『夜のミーティングまで、こうしてよっか。』
『うん。』
ボクたちは、いっぱいいっぱいキスをした。

『ライヴで、生ちゅー、でもしちゃうおうか?』
ヒロが言う。
『ばかー。恥ずかしいよ。』
ボクはほっぺを手で隠した。
『じゃあ、キスシーンのとこで、ちゅーしたい。』
『え〜・・・』
『解らないようにすれば大丈夫、そういう歌だし!』

結局、ライヴでは何回もちゅーされちゃったボク。
『気づかれてないみたいだし、まーいっか。』

最近、思考回路が、ヒロに似てきたみたい。

ま、いっかー☆

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