聖域〜サンクチュアリシリーズ〜

□TEAR'S LEBERATION D-SIDE
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今日は小説を書く気がまったく起きなかったんですが、結局何だかんだで更新する、月影です、コンバンワ。

入院生活で腰が痛い!!

小説を書くモチベーションが左右されます(´Д`)

病院だから『BET』買いに行けないし(泣)

まだまともに聴いてもいません(T_T)

早く聴きたいお!!

あ。暇な時にサイトをいじくって、BLOGを簡単なパス制にして(accessの20周年記念日、にします。)、R-18をパス無しにする予定です。最近、エロスを書くことが多くなったので(;^_^A
そのお知らせはまた、サイトTOPでお知らせしますのでよろしくお願いします☆
コメ返は文字数の都合上、次回に回します、ゴメンナサイm(__)m

それでは小説、ドゾー↓

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TEAR'S LIBERATION

       D-SIDE

 ヒロと僕は、アリーナツアーの後、事実上の『解散』を承諾して、お互いの事務所と契約を交わした。
 ソロ活動や、プロデュース業に魅力を感じない訳ではなかったけど、まだまだaccessとして、ヒロと一緒にやりたい事がいっぱい有ったのに。二人で追い掛けていた、一緒に見ていた夢がまだまだ沢山有ったのに。

 『SCANDALOUS BLUE』の発売後、更にスケジュールはタイトになった。雑誌のインタビューや、ラジオ、テレビの出演、PVの作成、三部作最後のレコーディング………。
 休む暇も無かったけど、それだけヒロと一緒に居られるのは純粋に嬉しかった。
 ただ………。
 三部作のコンセプト、『純粋な感情・同性愛』をテーマに、必要以上にヒロと接近して、撮影をするのは正直辛かった。
 抱き締められても、そこに愛は存在しない。僕を『大好き』だと言った彼には、友愛としての感情以上のものは無い。だから苦しい。
 でもプロである限り、プライベートを仕事に持ち込んではいけない。この気持ちは、ヒロと安部ちゃんしか知らない。誰にも気取(けど)られてはいけない。ヒロにもこれ以上、自分の感情を知られてはいけない。
 だから撮影が終わるとすぐに、ヒロの腕の中から、身を離す。ずっと一緒にいたら、泣いて縋ってしまいそうだから。
 『親友として、仕事のパートナーとして、大好きだ』というヒロの言葉は、嬉しかった反面、予想以上に苦しかった。
 知られなかったとしても、どのみち叶わない、切ない片想い。本当は、僕の気持ちをこれ以上知られずに振る舞う事は、血の涙が出る様な苦しさだった。
 でも、休憩中や移動中は、相変わらず、下らない話で盛り上がって、目を見て笑い合う。残された日々を、せめて楽しく美しい想い出にしたかった。彼の記憶には、何時までも笑ってる僕を、残しておきたかった。
 神様は、どうしてこんなに残酷な審判を下したのだろう。
 形は違えど、お互いを思いあってる僕たちを、何故引き裂くのか。僕がヒロを愛した、それが神様の怒りに触れ、禁忌を犯したっていうの?永遠の片想い、それでいいというのに。
 そう問い掛けても答えは返って来ない。
 残されたもう残り少ない時間、ヒロの心に僕を刻む、それだけが生きている糧(かて)だった。

 井上さんから上がってきた三部作最期の詞は、とても切ないものだった。歌詞を見た時に、堪え切れずに、涙が溢れ出ていた。
 同じ明日(ゆめ)を壊されて見失って、擦れ違っていく僕たち。この淋しさを乗り越えれば、いつしか再会しる事があった時に、また同じ笑顔で笑い合えるのだろうか。

 スケジュールは益々忙しさを増す中、『TEAR'S LIBERATION』のPVの作成が始まった。
 恋に堕ちた人魚は、僕と重なり、姿を消す。恋をしていた者が、すぐ隣に居た者だと知って、抱き締めあい、別々のドアを開けて別々の道を歩き立ち去る。
 ヒロと僕は、これで本当に最期のPVになる。アリーナツアーが終われば、もう彼の隣で演奏する事も叶わない。ヒロと一緒に追い掛けた夢、明日はもう来ない。
 どうしてこんな事になってしまったのだろう。僕が弱かったから?どうしてもaccessを守り切ろうと思えば、そう出来た?
 ヒロと抱き締め合うシーン。瞳と瞳がぶつかり合った。彼の瞳は、とても率直で、純真で、目を逸らさずに見つめ合った。その素直な瞳に目頭がジンと熱くなり、涙が滲み出た。
 きっとヒロには解ってしまっていたね。
 抱き締めあった体は、熱くて、その腕の中に何時までも居たいと思った。この腕で、僕の知らない誰かを抱き締めるのかと思うと、苦しくて、切なくて、心が痛かった。
 曲の終盤、僕たちは真っ白な壁の前で立ち止まり、ゆっくりと顔を見合わせる。
 ヒロのヘーゼルの瞳が、微かに揺れた。こんな僕でも、離れるのは悲しいと思ってくれるの?
 そしてまた、歩きだし真っ白な2つの扉をそれぞれ開けて、未来の光が溢れるそれぞれ別々の道を歩いていく。
 ヒロに抱かれた感触が、ヒロの揺れた瞳が痛い程切なくて、体からその感触が消えなかった。
僕は、『三部作の意味』が、こんなにも悲しいものだったなんて、思わなかった。

 アリーナツアーは華々しく幕を開けた。流星群が輝く様に儚くも美しく。
 accessが無期限活動休止になる事は、ファンの子達は知らない。知っているのは、限られたお互いの事務所のスタッフと僕たち2人。
 悔いを残さぬ様、今一番力を出し尽くして、ステージを魅せようと、ヒロに約束を交した。
 オープニングの曲は、『SWEET SILENCE』だった。瞳を見合わせて歌う曲。

――――JUST SWEET SILELENCE 見つめて 出逢いをすべてを悔やまぬ様に………

――――“君以外いらない” 言えない自分に何が出来る………

――――激しい雨に崩れてゆくなら それでも構わない………

 出逢いも全ても悔やまないよう………。ずっと貴方だけを想っているよ。だからその目を離さずに、旅立つ僕を見つめていて。
 “君以外いらない”、そう言えなかった僕を、憎んでも構わない。
 激しい貴方への恋慕の雨に打ち砕かれて、このまま崩れてしまうのならそれでも本望だ。
 ヒロの為に僕が崩れてしまっても………。

 そして迎えた、アリーナファイナル。ヒロと同じステージに立つ、最期のステージ。
 ファンの子達の笑顔が邪気も無く、優しかった。切なかった。
 着々と進んでいくセットリスト。ヒロの、アイコンタクトを、笑顔で返していく。そんなやり取りも、今、何故か懐かしく感じた。
 この瞳は、何時か誰かを映すの………?それは誰?彼との未来を映す誰かに、行き場のない切なさが沸き上がってくる。
 僕は何時まで報われぬ想いを抱き続けるのかな。僕は、一度人を好きになると、滅多にその感情を捨てきれないから。
 ヒロの事がこんなに大好きでこんなに悲しいのは、同じ夢を追い掛けていた最高のパートナーを失う為だから。そう、これからは、そう自分に言い聞かせて生きていこう。
 そのうちに、三部作が始まった。
 アップテンポの『DRASTIC MARMAID』。僕は、ヒロの後ろのシンセブースで、体でリズムをとるように弾いた。どんな顔で、どんな気持ちで、この歌を歌っているのだろうか………。この頃は僕たちに悲しい別れがあるなんて知らなかった。
 そして次の曲はメロディアスな『SCANDALOUS BLUE』。危うげメロディの中に切なさが隠れている。

―――――こらえても 燃え尽きたい気持ちが……………

―――――拒む腕を 背かせる………………

―――――溜め息で殺した 愛しさのHalation………………

 僕の夢にはヒロが不可欠だった事を、思い知った。君の居ない未来なのならば、この愛しさと共にこの感情を殺してしまい。この場で全て燃え尽きてしまっても構わない。
 曲のクライマックス、ヒロは僕が待つシンセブースまで歩いてくる。苦しそうな横顔が脳裏から離れない。そして、抱き寄せられ、余韻を残して離れ、また抱き締められる。

――――儚さが 音たてる………

――――二人の夜に…Cause It's Scandalous………

ヒロの厚くて柔らかい口唇が、僕の口唇と重なった。
 何時もは、フェイクのキスだったのに。だけど、この時は………。
 理由が解らなかった………。多分ヒロにも解らなかったのだろう………。抱き締められた腕が、とても熱かった。
 そして、舞台が暗転した。僕のソロになる。
 色んな思いが交差する。何故僕は………。何故ヒロは………。『大人の事情』って何………。もし僕が強かったのなら………。もし僕たちがもっと大人だったのなら………。
 答えの無い問いを繰り返していた。そしてソロを弾き終わり、再び暗転した。
 ライトアッブされ、アッブテンポのミディアムバラードの『TEAR'S LIBERATION』を弾き始める。
 僕も、ヒロも、ただ真っ直ぐ前だけを見ている。視線は、決して交わる事が無い。明るくも切なく悲しいバラード。
 別々の道を歩む事になっても、忘れたくない、間違いたくない、僕たちが出逢った理由(わけ)を。
 何回も繰り返し聴いた歌詞なのに、言葉の一つ一つが、僕たちの関係を示しているみたいで。傷つけられた夢を、今はそれを抱いて、お互いの道を歩きだそうね?
 僕は思いの丈を込めて、最後まで演奏した。

 三部作を歌い終えた後は、いつもの様に楽しいライヴへと戻る。
 一つ一つの瞬間、最後の瞬間まで、今在る時間を瞳に焼き付けた。
 全曲演奏が終了した後、僕の目には涙が溢れていた。でも、決して泣かない。ヒロには、笑顔の僕を最後まで残しておきたかったから。

 わざとヒロとは離れて楽屋へ戻る。泣いてしまうのなら、この瞬間だけだから。声も出さずに、とめどもなく涙が溢れでていた。
 そして、僕は楽屋へ戻った。この顔を見られたら、泣いていた事が解ってしまうね?だけど、ヒロと顔を合わせる時には、また、笑顔になれる。
 そんな時に、ヒロが楽屋に現われた。
 ライヴでのキスの事は、敢えて何も触れなかった。
 ヒロの方へ手の平を差し出し、
「ありがとう、ヒロ。」
 僕はそう言った。これが僕の答え。ヒロは僕の手を、ぎゅっと握り、
「ありがとう、大ちゃん。これからも大ちゃんの事も、一緒に過ごした日々も忘れないよ。」
 そう言ってくれた。
 それが果たせない約束だったとしても。僕に後悔は無い。

 ヒロが居ない夜が明けていく。
 ただ、貴方が隣に居ない。それだけの違い。
 貴方が居ない夜明けは、どんな色に見えるのだろう。
 傷ついた夢を抱いて、ひとりきり、もう一度歩きだす。
 途切れた想いだけを胸に。

      《END》

*アフタートーク*

書いていて切ないです(ノд<。)゜。

ヒロSIDEの時も切なかったんですが、この大ちゃんは片想いだから余計に………(´Д`)

でも色々構想もまとまっているし、ネタ帳にも色んなフレーズが浮かんで収納されています。

でも、いいフレーズって何故かお手洗いに行った時とか、寝落ち直前に浮かんでくるんだろう(笑)
忘れちゃうがな(^-^;)

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