*BLOG'S UP NOVEL*
□恋に落ちて〜FALLIN' IN LOVE〜
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貴方に逢えない日には
花屋で沢山の黄色い薔薇の花を買う
部屋の至る所に飾って
貴方からの携帯の着信を待つ
淡い黄色い薔薇の花たちは
僕の心
貴方は気付いている?
「いつも、ありがとうございます!」
20代半ば位の女の子。僕の行きつけの花屋さんの店員さん。
その娘(こ)は、いつも白薔薇の様に眩しい程の笑顔とともにお礼の言葉をくれる。
僕は、お釣りを受け取ると、財布の中に綺麗に小銭を並べる。
今日も花屋で黄色い薔薇を買った。何故なら貴方に逢えない日だから。
鼻歌を歌いながら帰途につく。家に帰ったら、何時もの様に、部屋をこの薔薇で埋めつくそう。
淡い黄色の薔薇たちに囲まれて一日を過ごそう………。
貴方を思い浮かべながら。
* * *
最初に惹かれたのは、僕の方だと思う。告白をしたのも僕。
好きな人が、仕事のパートナーであり、しかも同性だということが、僕の心にブレーキをかけていたのだけれど。
一度、好きだと気付いてしまうと、求める気持ちは止まらなくて。
僕は、一線を越えてしまった。貴方に僕の気持ちをぶつけてしまった。
貴方の第一声は、
「気持ちはとても嬉しい。」
だった。
だけど。
「仕事のパートナーとしてとっても尊敬してる。失いたくない。でも、同性の貴方をずっと愛していく自信が無い………。でも、それでもいいのなら。」
だった。
覚悟は、していた。
想像していたのは、もっと悪い結果。
最悪、ユニットの解消まで考えていたから。
それに、貴方の異性の恋人の存在も知っていた。
とても大事にしている存在。
僕は、無かった事にしようとすれば、出来る立場だったけれど……………。
それでも、どんな些細な時間でも貴方と一緒に居る事を望んだ。
その関係には、愛の言葉は無かった。あるのは、お互いの温もりだけ。
刹那の関係。
束(つか)の間の恋。
僕は、貴方の大切な存在を壊す気は無い。
ただただ、貴方との繋がりがあれば。
でも、時には我慢できずに、欲張りになってしまう日がある。
仕事で毎日の様に顔を合わせていても、オフの日の貴方が、何時も欲しくなる。
そんな日には黄色い薔薇で、部屋を埋めつくす。
そこから流れだす芳醇な薔薇の薫りに包まれて、一日を過ごす。
溜め息を、黄色い薔薇に変えて。
* * *
何時か、全てが手に入る時が来るのだろうか。
僕は、その時を待つ。
部屋中に飾られた、黄色い薔薇の園の中で。
《了》
*あとがき*
『大ちゃん』と言う言葉も、『ヒロ』と言う言葉も出てきません(笑)
でも、大ちゃん目線の小説です。
かつて、不倫な恋をしていた時の事を想い出して書いてしまいました←問題発言(爆)
そんな月影も去年末にプロポーズを受け、今年の末には人の妻になります(笑)
余計な情報、失礼しました(;^_^A
なんで、白い薔薇じゃなくて、黄色い薔薇なのか………。
それは、黄色い薔薇の花言葉が『嫉妬』って意味があるからです。話に合ってるかなって思って。
ちなみに白い薔薇だと、『純潔』『あなたは私にふさわしい』なので、少しイメージが違うので却下しました。
でも薔薇に囲まれて生活してみたいな〜なんて思います(*^_^*)
感想など頂けると、とても嬉しいです。