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□『行っちゃヤダ。』
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「行っちゃヤダ。」


 オレには明日早くに、ソロ活動での打ち合せがある。今宵、二人、蜜の様に甘い情事を過ごした後、シャワーを浴びて着替えるオレに、真っ白いシーツを頭から被ってベッドにちょこんと座る大ちゃんがそう言ってきた。
「オレ、打ち合せあるから、明日早いんだ。知ってるでしょ?ゴメンね?」
 とのオレの言葉に、大ちゃんはシーツに包(くる)まりながら、イヤイヤをする。
 か………可愛過ぎる。オレの気持ちがグラリと揺れる、けど。
「大ちゃんも明日、テレビの打ち込みのお仕事あるでしょう?ね、我慢して?」
 と、オレは大ちゃんの可愛い仕草に理性が飛びそうになるのを抑えてそう言った。そしたら大ちゃんは、
「僕は、午後からだもん。」
 とぷっくりと頬を膨らませる。そんな仕草も、言っている事が我儘でも、可愛くて愛しくて我慢するのが大変だ。
 着替え終わったオレは、大ちゃんに近づき、そのサクランボみたく紅(あか)く色付いた口唇にキスをする。
「オレのコトはどうでもいいの?………でもまぁ、オレだってもっと一緒に居たいよ?でもオレたち大人なんだから………。」
 と彼の柔らかい金髪をあやす様に撫でながら、諭すように言う。
「………オトナなんて、イヤー!!」
 と、大ちゃんは頭をふるふると振りながら、オレのシャツを握り締め、もう一度キスをせがむ。彼の白い肌に色づく紅(くれない)は、媚薬の様に甘やかで。それに誘われもうあらがえなくて、もう一度、軽いキスをしようとする。と、大ちゃんの舌が入ってきて、恋人のそれへとかわる。
「ね。オレの言う事、解るよね?だから今回は、大ちゃん我慢して?」
 口唇を離し、大ちゃんの目線までしゃがみこみ、やっとの思いで、もう一度諭す。
 すると、大ちゃんは小首をことんと傾(かし)げてオレを真っ直ぐ見つめながら、
「行っちゃ、ヤダ。」
 ともう一度繰り返した。
 その可愛い仕草は、オレの限界まできている理性を壊すには充分過ぎて。

―――――降参。
 オレの可愛い小悪魔の勝ち。
 オレは愛しい小悪魔の体を抱き締め、
「………わかったよ。明日の朝イチにここから打ち合せに行くよ。大ちゃん、その代わり責任とってよ?」
 大ちゃんが包まっている白いシーツを脱がせて、抱き締めキスをする。大ちゃんは満足そうに笑った。
 そうして再び始まる2人の蜜月。

 オレの可愛い小悪魔。
それが、オレの弱点。

     【おわり】

*あとがき*

そして大遅刻をまたまたする貴水博之であった(爆)。

最近シリアスばかりを書いていて、めっちゃ甘くて甘すぎるお話を書きたくなって、書いてしまいました。
口から砂糖を吐いてしまいそうです(爆)

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