短編
□くりーむ×くりーむ
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「・・・は?ちょ、ごめんもっかい」
「だぁからぁ、バースデーケーキって言ってるじゃん」
「・・・は?」
ばーすでーけーき?
その言葉が私の脳内で変換されるまで、けっこう時間がかかった。
「・・・誰に作るのよ」
「なぁーに言ってんの?有香のだぁいすきな雲雀さんだよ♪」
「・・・は?」
「二回言わせるの?」
「何で雲雀なんかに」
「あるぇ〜?5月5日は雲雀さんの誕生日で間違ってないよねぇ〜?」
なんで彼女の私が覚えてなくてあんたが覚えてんの?
ところ変わって。
「ねぇ、雲雀はさぁ誕生日何欲しい?」
帰り道、訊いて見た。
「何、いきなり。君らしくない」
「・・・むぅ〜・・だぁからー、質問に答えなさいよ」
「んー・・・・・」
考える考える。
「――・・・有香が欲しい」
「黙れこの蜜柑が!」
「もしかして、期待した?」
「しっ・・・してなぁい!黙れぇぇ!!」
こ、こーいうコト云うから・・・もぅ。
「まぁ、期待しないよ」
「酷いな!」
雲雀は私の頭をわしゃわしゃと撫で、呟いた。
「―・・・有香は変わらないよ、ずっと前から」
――・・すぐムキになるとことかね。
「・・・っっ!!」
最後は囁き声。
しかし。
次の言葉が私を怒らせたんだから。
「あ。
料理が苦手なとこも変わってないね」
何っ?!
「ほんっと不器用だよね」
「――・・・言ったな?」
「だって事実だよ?」
「うーるさぁーいっっ!!私だって成長したんだよ?!料理なんか楽勝よっ!」
・・・・あ。
思わず言っちゃった。
「・・へぇ?まぁ、期待しないけど」
「本当なんだからっ!馬鹿にしないでよ?!」
うぅ〜・・・
やっぱバースデーケーキ作んなきゃ・・
☆―くりーむ×くりーむ―☆
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