*-*-*

□a wound
1ページ/1ページ



 〇トラウマな臨也さん
 〇ぐだぐだ
 〇エロ










 はあ、はあ、と息を吸っては
 吐いて。


 そんな俺を見て、シズちゃん
 が悲しそうに目を細めた。

 シズちゃんのこの、悲しさを
 まぎらわすために笑う表情を
 見るのは、一体何回目なのだ
 ろう?


 付き合って1年がたち、恋人
 として体を繋げようとしたこ
 とは何度もあった。

 だが、過去に仕事絡みで無理
 矢理犯されてから、俺は人と
 接するのが怖くなった。

 優しくていつも俺を気づかっ
 てくれるシズちゃんとは、手
 も繋げるし、キスまでならし
 た。

 しかしいざそういう空気にな
 ると、体が強張って震えが止
 まらなくなってしまうのだ。

 それはシズちゃんにとっても
 辛いことだろうし、すぐに体
 調を崩す俺の面倒を見てくれ
 るのは、申し訳ない。


 だから今日こそは、と決意し
 て、シズちゃんとベッドに行
 ったのだが、俺はそこで呼吸
 が乱れて、今に至る。


 「シズちゃ、ごめん、はっ、
 俺、また…、げほ、」


 「大丈夫だ、ほらよ、薬」


 少し肩に手が触れただけなの
 に。こんな自分が嫌になる。

 こんな時にも心配してくれる
 シズちゃんが優しすぎて、悪
 いのは俺なのにと思うと、目
 頭が熱くなって視界がぼやけ
 た。

 シズちゃんに差し出された錠
 剤を、水なしで飲み込む。

 シズちゃんは相変わらず、悲
 しそうに微笑んだ。そんな顔
 で「泣くなよ」なんて言わない
 でよ。泣きたいのはシズちゃ
 んも同じ筈なのに、1年以上
 付き合っている恋人に、触れ
 ようとして拒絶されるなんて
 、俺だったら嫌だよ。


 少しずつ乱れていた呼吸が戻
 って、震えていた肩もおさま
 った。いや、正解にはまだ少
 し震えているけど、震えてい
 ないと思い込む。


 「シズちゃん…続けて」



 シズちゃんは驚いた表情を見
 せた。


 「…無理すんなよ。まだ怖く
 なくなった訳じゃねえんだろ
 ?」


 「全然怖くないわけじゃない
 けど、俺は平気だから、ねえ
 …お願い」


 シズちゃんは再び驚いたが、
 無理だったら言えよ?と言っ
 て、俺に優しくキスをした。


 「っ、ふぁ、…っ」


 深い、優しい口づけに、びり
 びりと腰の力が抜けて熱くな
 る。

 脱ぎかけていたVネックを脱
 がされて、俺が一瞬息を飲ん
 だのが伝わったのか、シズち
 ゃんは大丈夫か?と言葉をく
 れた。


 その気づかいだけでも嬉しく
 て、いまだに根深く残る怖さ
 を隠して、俺はうんとうなず
 いた。


 「ん、ぅ…っ、ぁっ、…」

 乳首に吸い付いて離れないシ
 ズちゃんは、空いている方の
 胸の飾りを左指で摘まんだ。
 痛いようなくすぐったいよう
 な感覚は、すぐに快感へと変
 わって、俺は喘ぐことしかで
 きない。


 「しぅちゃ…、っ、あ」

 「……っ、後戻りきかねえ
 ぞ、」

 シズちゃんは俺のベルトを外
 して、ズボンと下着をとった
 。俺は何も身に付けていない
 訳で、恥ずかしさと怖さでシ
 ズちゃんの顔を直視できない
 。

 シズちゃんはそっと俺の自身
 を触り、なぞり上げるように
 優しく扱いはじめた。


 「んぁ、やぁ……っ、あ、シ
 ズちゃん……っ」


 「駄目じゃねえだろ、気持ち
 いいか?臨也」

 「う…ん……きもち、い…」

 シズちゃんは満足気に笑い、
 俺の後孔と自分の指にローシ
 ョンをたっぷり垂らして、指
 をいれた。


 「…っぁ…冷た…っ、っん」


 「痛くねえか?」


 「へいき、だよ…、っ」

 少しずつ指が増やされて、間
 接が曲げられる度に腰に力が
 入らなくなって、聞きたくも
 ない自分の声が聞こえる。


 「あ、…っぁ、ああっ、」

 「もっと…声聞かせろ…」

 シズちゃんがいつもとは違う
 笑顔で、俺の前立腺を探りな
 がら、空いている手で頬をな
 でた。

 「う……んぁ、っあ、そこ、
 らめ…ぇ…ひぁっ」


 体の芯から蕩けてしまいそう
 な感覚。

 こんな感覚、知らない。

 俺はおかしくなってしまった
 のだろうか。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ