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□全部忘れようか?
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 〇臨也女体化注意!












 「あああああああああああセ
 ルティいいいいいどうしよう
 !!!」


 頭を抱えて絶叫する新羅の右
 手には、薬をいれるための白
 い紙袋。


 「「どうしたんだ新羅!?」」


 セルティがPDAを新羅に見せ
 ると、新羅は顔を真っ青にし
 て口を開いた。


 「…風邪薬と間違って臨也に
 別の薬渡しちゃった…」


 「「臨也に?どんな薬を渡し
 たんだ?」」



 「いや、それが、ね……」



 新羅はかたかたと体を震わせ
 ながら、小さく言った。



 「女性ホルモンを大量分泌さ
 せる薬なんだけど……簡単に
 言うと、……飲んだら女性に
 なるんだよね」


 「「       」」


 セルティはいつも考えるとき
 に使う「……」を打ち込むのも
 忘れ、数秒後PDAをかしゃん
 と落とした。


 「ちなみに、服用してから一
 時間くらいで効果が出るんだ
 けど……」


 現在時刻は午後3時。


 臨也に薬を渡したのが、午前
 9時。



 とにかく電話してみよう、と
 新羅が携帯をとりだした。


 結局何回かけても臨也は電話
 に出ず、新羅は携帯を閉じて
 笑顔で言った。



 「うん、とりあえずこの事は
 静雄に任せて忘れよう!」


 セルティは一瞬臨也が可哀想
 だと思ったが、まあ日頃の行
 いが悪いし第一関わるのが嫌
 だったので、新羅の意見に賛
 成して、聞いたことを全て忘
 れた。(ことにした。)


 新羅は笑顔のまま再び携帯電
 話を操作して、静雄へ電話を
 かける。電話に出た静雄に、
 新羅は笑顔で言い放った。



 「静雄、君にいいお知らせだ
 よ」


 「「何だよ」」


 「臨也のマンションに行って
 みて?」


 「「……何でだよ」」


 「いや、……おもしろいこと
 になってると思うからさ」



 新羅はニコリと微笑んで、携
 帯電話の電源を切った。


 この後臨也に一生恨まれなが
 ら人生を送ることになろうな
 ど知らずに。






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