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□齟齬恋愛
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 ○四木×臨也←静雄
 ○四木さん酷い
 ○臨也かわいそう









 「そういえばさ、臨也風邪ひ
 いたんだって」

 真っ昼間から喧嘩を吹っ掛け
 られ足を盛大に怪我した静雄
 は、いつものように新羅のマ
 ンションで治療を受けていた
 。刃物を突き立てられて血ま
 みれの太股を丁寧に拭き、綺
 麗なガーゼを切り離しながら
 、新羅は突然そんなことを言
 ったのだ。

 「…………」

 「いやあ、あいつが風邪なん
 て珍しいからね、看病にでも
 行ってあげたら?」

 新羅は悪気も無くそんなこと
 を言うと、よしっと包帯を巻
 き付けた。


 「とりあえず出来たよ」

 「おう、ありがとな」

 静雄は包帯だらけの右脚を机
 から持ち上げ、礼を告げてマ
 ンションをあとにした。

 静雄は、学生時代から臨也に
 ひそかに思いを寄せている。
 はじめは誰も気づいていなか
 ったが、次第に感ずかれはじ
 めて、今は新羅と門田はそれ
 を知っている。だが、二人と
 も臨也に告げ口したりはしな
 かったし、妙な噂を流したり
 はしなかった。

 現在静雄は、新羅に言われた
 通り、臨也のマンションへ向
 かっている。途中にコンビニ
 によってプリンを2つ買い、
 また歩を進める。




 「おい、臨也」

 インターホンを数回押しても
 返事がなく、静雄が中へ声を
 かけたが、やはり返事はなか
 った。


 病院にでもいってるのかと静
 雄が諦めかけたとき。

 「あ、シズちゃ、……待っ」

 「臨也?」

 部屋の中から臨也の声が聞こ
 えた。静雄はもう一度ドアに
 向き直り、ドアノブを捻り壊
 すと中へ入った。


 「…だから声を押さえるよう
 に言ったんですけどね」

 「ゃ……っ…、あ」

 「は……?」


 部屋に入ってすぐ、静雄の思
 考が停止した。

 臨也のベッドには、ほとんど
 裸体の臨也と抱き合う男がい
 た。

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