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□怪物の片思い
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 ○静→→→臨
 ○暗め、終わり片微妙
 ○静雄病んでます
 ○臨也かわいそうです



















 「シズちゃん!」

 とある休日、静雄の家の玄関
 前でピンポンダッシュをしま
 くっていた臨也が、39回目で
 やっと姿を現した。



 「朝からうっせぇんだよ…、
 臨也くんよぉ……!!」


 眠そうに髪をかきながら、目
 をむけた者全てを殴り殺しそ
 うな目付きをむける。

 そんな静雄などかまうことも
 なく、臨也はコートの裾をぴ
 ょんぴょんさせながら話す。

 「ねえ聞いて聞いて」


 臨也が此処へ来た理由は、も
 ちろん静雄に嫌がらせをする
 為だ。内容はくだらない、彼
 女が出来たという嘘を言いに
 行くという、うざさ極まりな
 いものだ。


 「俺彼女ができたよ!」


 臨也は笑顔で言いはなった。
 生まれもった馬鹿力と、池袋
 中に広まっている噂から彼女
 が出来た事はないであろう静
 雄に、屈辱を味あわせようと
 いう何ともくだらない計画。
 もちろん、臨也に彼女ができ
 たというのは大嘘だ。


 「……彼女?」


 「そ、俺彼女ができたんだ、
 いいでしょ」


 臨也は一気にまくし立て、き
 ゃーきゃー騒いでいる。

 (うっは!悲しそうな顔!な
 にこれ超効いてるしやばい楽
 しいこれ楽しい!そんなに俺
 に先越されたのが屈辱かよ単
 細胞!)


 「うぜぇ」


 「あは、言われると思った…
 …?っ」


 がたん。


 間抜けな音をたてて、さらに
 彼女(架空)の自慢話を始めよ
 うとした臨也は、静雄の玄関
 のドアに押し付けられた。


 「………え?」

 (何これ意味わかんない。ま
 じで殺されるの、俺?)


 「離してよ」

 「うぜぇ、黙れ」


 静雄は声を荒げて、臨也の黒
 い髪をつかんだ。




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