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季節は冬。時刻は午後9:00。
「………寒いわ」
あれから20分程待ったが、相
変わらずこの状況。時折中か
ら聞こえてくる喘声がうざっ
たいことこの上ない。
「今日はもう帰ろうかしら?
」
寒い玄関の外で立ちつくして
るのも辛い。しかし明日目を
通しても終わりそうな代物で
も無く、波江はしかたなく書
類だけ静かに取ってこようと
、再び玄関に入った。
(何で私はあんなやつに気使
ってんのかしら……。ていう
かあの男は誰とよろしくやっ
てるわけ?女がいるとも思え
ないけど)
波江は書類のある机の脇から
覗いて………しまった。
(………………。)
目の錯覚かしら?
そこには、見慣れた黒髪の男
と体を重ねる、金髪のバーテ
ン服がいた。