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 「そんな悲しそうな顔、しな
 いでよ」


 臨也は自分の言った言葉がす
 ごく恥ずかしくてかたことに
 なりながらも言葉を紡ぐ。

 「臨也……?」

 「嘘なんかついた俺が悪かっ
 た…よ…ごめんね」

 「…いいから風呂入って帰れ
 」


 「だって……」

 「ほら、タオル」

 「………うん」


 臨也はするりとソファから立
 ちあがり、風呂場へと向かっ
 た。

 残ったのは僅かな血と静雄だ
 け。

 ずっと好きだった。

 臨也を見る為にわざわざ新宿
 まで行った事もあった。今日
 、自分の勘違いによって臨也
 を傷つけた。目の前のソファ
 に滲む血が、その証拠。

 「いざや……」

 涙が頬を伝う。化け物の俺で
 も、泣けるんだな。と実感し
 て、心の中で吐き捨てる。ど
 うせ人間からかけ離れた力を
 もって生まれてきたなら、心
 も人間離れしていればいいの
 に。そしたら、ここまで誰か
 を好きになったり苦しくなっ
 たり。
 誰かを傷つけなくて済むのに
 。

 どさっとベッドに寝転がる。
 このまま何処か遠くの場所へ
 沈んでしまいそうになりなが
 ら、目を閉じていた。



 どれくらいの間そうしていた
 のだろう。 いつの間にか眠
 っていたらしい静雄は、ふと
 横で寝息をたてる臨也に気が
 ついた。

 すうすうと眠る臨也の頭を優
 しく撫でた。どうやら風呂に
 入った後、すぐに帰らずここ
 で寝てしまったようだ。風呂
 に入ったあと特有の、甘い香
 りが鼻腔をくすぐる。


 (さっき襲った奴の隣で寝ち
 まうんだからな……)

 無防備に眠る臨也の顔を見て
 、静かに微笑む。


 (…臨也)




 「臨也」




 そう、何度呟いただろう。無
 意識に静雄が出した声で、臨
 也は目をさました。


 「え?俺寝ちゃっ……?」



 喋るな。
 声を聞いちゃいけない。
 会話なんかもっての他。



 本当は、

 触れたい。

 触りたい。

 声が聞きたい。

 話がしたい。

 そばにいてほしい。

 一緒に出掛けたい。

 笑いながら話がしたい。
 喧嘩しながらでもいいから。
 「シズちゃん」って呼んでほし
 い。

 自分の欲望を押さえつけて、
 静雄は目を伏せた。


 「あ……じゃあ……帰るね」





片思いすぎて




 もう二度と会うことはない。
 最初で最後の怪物の片思い。


 もし触ったらきっとあいつは
 ぼろぼろに壊れてしまうから








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 無駄に長いしハッピーエンド
 じゃないしgdgdだしorz

 誰か文才をください(;o;)

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