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 「痛……っ、シズちゃん!は
 なしてよ…!」

 「ふざけんな」

 「ふざけてんのはどっちだよ
 …、やめ……っ…ぁ」


 必死にもがくいている矢先、
 臨也の唇は静雄にふさがれた
 。


 「ん…………っ!」

 臨也の顔が紅潮して、呼吸で
 きない苦しさと意味の分から
 ない状況に頭が混乱する。無
 理矢理中に入ってきた舌が、
 口内を浸して、歯をなぞられ
 る感覚に背筋が凍るように冷
 たくなる。臨也の口からはだ
 らしなく唾液が流れ、顎を伝
 い溢れていく。視界が涙でぼ
 やけて、白くかすんだ。
 今までどんなに殺されかけて
 も決して感じる事の無かった
 この感情。


 (早く逃げればよかった…!)






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