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 「味変か?」

 「ううん」

 風呂を出た臨也は、毛布にく
 るまりながら、静雄の作った
 お粥を食べていた。

 「シズちゃん、料理できるん
 だね」

 「まあな」

 少しずつ喋るようになった臨
 也を見て、静雄は安心した。


 「昨日は悪かった。俺が勘違
 いしちまったから……」

 「いいよ、無理矢理でも俺が
 セックスしてた事は事実だか
 ら」


 臨也の言葉、一言一言が深く
 胸に突き刺さる。ふと、自嘲
 気味に笑う臨也が突然泣きは
 じめた。

 「!?どうしたんだよ」

 「ごめ、ちが……っ、ひく、
 何でもない…っ、」

 そっと静雄が臨也を抱き締め
 ると、臨也は素直に抱き締め
 返してきた。静雄の胸に顔を
 押し付けて、ぎゅっと離れな
 い。しばらく黙ったままそう
 しているうちに、静雄はだん
 だん心配になってきた。


 「おい、大丈夫か?」


 「へいき」


 「お前その体勢キツくねえの
 かよ?」

 「へいき」

 静雄が何と言っても「へいき
 」だけしか言わず、その体勢
 のまま臨也は言った。

 「俺シズちゃんのことが好き
 」



 「な、!?何だ急に!?」

 静雄の心臓がどくんと跳ねる
 。心臓に顔を押し付けている
 臨也には、この心拍数は隠せ
 ない。

 高鳴る心音を隠せないのなら
 、いっそのこと自分の思いを
 伝えてしまおうか。伝えたら
 、自分たちはどうなる?

 そして静雄は口を開いた。



 「俺も、好き、だ」

 必死に言葉を繋いで、全ての
 感情をぶつける。

 今まで臨也にぶつけてきた感
 情は、苛立ちや憤怒しかなか
 った筈なのに。


 「本当に……?」

 「たぶん、お前が俺の事好き
 なのより、俺はもっともっと
 お前のことが好き、だ」


 「……」

 臨也は埋めていた顔を上げて
 、静雄を見上げる。耳まで真
 っ赤だった。静雄の心臓と同
 じくらい、臨也の心臓もばく
 ばくしていた。



 「シズちゃん、キスした」
 
 いいかけた言葉は、静雄の唇
 によって塞がれた。


 「……っ、……、ん…」


 腰に回された静雄の腕に応え
 るように、臨也も静雄の背中
 に手を回して服をつかんだ。

 「っ、ふ、……っ、」


 はじめは歯をなぞるように、
 段々と舌を追いかけるように
 、吐息とくちゅ、という音が
 漏れ出し、体じゅうが熱くな
 る。速く、大きくなる心音を
 感じて、嬉しくなって、回さ
 れた腕に力がこもった。

 そっと離れた唇が、今度は首
 元にキスをおとして、下へと
 下がっていく。

 臨也の胸に舌をはわせて、も
 う片方の突起を指でつまんで
 弄ぶ。時折びくん、と跳ねて
 声を出す臨也が可愛くて、静
 雄の心音がまた速くなる。

 「ん、あ……、っぁ……、っ
 」

 「声出せよ……、あんなのに
 やられたことなんて忘れろ」


 静雄が臨也のズボンに手をい
 れて、立ち上がりはじめてい
 るそれを扱えば、臨也はまた
 体を跳ねさせて声をあげる。

 「あ、っ、それ……っ、いや
 ……、っ、ん」

 「ああ?嫌ならやめるぞ?」

 「っ、やらあ……、やめない
 、で……っ」


 「淫乱」

 「淫乱なのは、……っ、シズ
 ちゃんにだけだよ……っ」

 とろけそうな目と声でそう言
 われて、静雄の理性が弾け飛
 んだ。


 「……っ」

 「んぁ……、っ、イきたい、
 ひぁ、っシズちゃん、」

 「体大丈夫か?」

 「どうせ……っ、大丈夫じゃ
 なくてもやるでしょ?」

 「……まあな」

 静雄は手の動きを速めて、に
 やりと笑った。猛獣のような
 、肉食獣のような目を向けて
 、臨也の後孔に指をいれる。

 臨「っ、……っ……ぁ、っ、
 ぁ、ああっ…」


 静「臨也、愛してる」


 臨「先に、言わないで…?」

 静雄が自身を出し、ならした
 ばかりのそこへ押し当てる。
 臨也は一瞬肩をふるわせたが
 、静雄が額に優しくキスを落
 とせば、静雄の背中に回して
 いた手に力が入って、ぎゅっ
 と目を閉じた。











 どうしてこんなことをしてい
 るんだろう。

 舌を絡めて、見つめあって、
 頬を染めて、体を繋げて、名
 前をよんで、

 まるで恋人同士のように。



 臨「シズちゃ、っ、愛してる
 …」


 静雄は臨也の真っ赤な顔を見
 て目を細めた。

 臨「ん、…っ、あシズちゃ、
 っ…ぁああぁっ、」

 自身を扱いながら、最
奥を
 つけば、臨也は達した。

 締め付けられて、静雄も中へ
 白濁したものを吐き出し、く
 ったりとした臨也を抱き締め
 た。風邪をひいているせいも
 あり、顔は未だに赤く、体は
 とても熱かった。

 臨「シズちゃん、風邪うつっ
 ても知らないから…」

 静「俺はお前ほど弱くねえか
 ら風邪なんかひかねえよ」

 むすっとした臨也の髪をくし
 ゃっと撫でる。

 静「お前は少しぐらい弱い方
 が可愛いしな」




 臨也の顔がさらに赤くなった
 のを、静雄は知らないのだっ
 た。

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