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 「何かあったのかよ?」

 「…まあ……あがってよ」


 静雄は言われるままに新羅に
 続いて廊下を歩く。いつもな
 らテレビ等があるリビングへ
 通されるのだが、今日は医療
 道具がやけに多い、仕事用の
 部屋に通された。





 何となくわかってしまった。

 でも、まさか。


 静雄は臨也がケガでもして寝
 ているんだろう、と鼻で笑い
 、新羅に「ざまあねえな、ノ
 ミ蟲」と呟いた。

 新羅の顔が一瞬曇ったが、他
 人の感情に疎い静雄にはわか
 らなかった。新羅が白っぽい
 ドアをあける。






 そこにあった状況を、静雄は
 理解する事が出来なかった。









 白い部屋の、
 白いベッドで、
 折原臨也が眠っていた。




 ベッドの回りに、おそらく靴
 の持ち主であろう人間たちが
 集まっている。


 臨也の双子の妹達が、臨也の
 胸に顔を埋めて泣いていた。


 黒髪の綺麗な女性が、虚ろな
 目で臨也を見つめていた。

 来良の生徒が俯いたまま立ち
 尽くしていた。

 セルティが、黒い影を震わせ
 ていた。



 「……臨也はね、妹達をかば
 ったんだ」

 新羅はゆっくりと口を開く。
 静雄はただ、立ち尽くす事し
 か出きなかった。


 「仕事のお客さんが妹さん達
 を殺すみたいな事を言ったら
 しくて、裏社会に出回ってた
 毒薬を飲んだらしくて、」

 言葉を紡ぎながら、新羅は涙
 を流す。新羅は、静雄に状況
 を話しだした。

 臨也は、妹達に毒を飲ませる
 と言った依頼を断った。怒っ
 た依頼者は、臨也に毒を飲ま
 せた。

 その後新羅のマンションへ来
 た臨也が部屋に忘れていった
 コートのポケットに入ってい
 た毒薬を見て、新羅は氷りつ
 いたらしい。

 そして、静雄に電話をした。
 それが昨日の電話。

 最後にあった臨也を思い出す
 。

 僅かに目を細めて別れを告げ
 た臨也。

 自分が死ぬことを知っていて
 、静雄に別れを告げたのだろ
 う。



 嘘だろ?


 静雄の頬を涙が伝った。

 俺、何で泣いてんだ?


 僅かに日の沈む白い部屋。


 白い部屋に集まった人間たち
 が、臨也の死を悲しみ、涙を
 ながした。


 静雄は顔を附せて部屋を出る
 。煙草の煙が涙で濡れた目に
 しみた。

 大好きな人間に、愛されて死
 んだ一人の情報屋。




さようなら、
いとしいひと。






 ‐‐‐

 感動ものが書きたくて、やっ
 たのはいいけど意味がわから
 ないという(・ω・`)

 読んでくださった方、ありが
 とうございます。そしてどな
 たか文才をください←黙

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