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 次の日の早朝。


 再び静雄の携帯電話から、着
 信を告げるメロディが流れる
 。新羅からの電話だ。眠さ
 と煩さに、静雄はイラつきな
 がらも電話に出た。

 「新羅、お前今何時だと…」

 「「臨也が…っ!臨也が……っ
 !!」」


 「何で朝からその名前聞かな
 きゃなんねえんだよ」

 「「早く、マンションまで来て
 くれ……っ」」


 そこで電話は切れた。そして
 静雄は気付いた。



 新羅は泣いてた?




 (ノミ蟲の奴、まさかセルテ
 ィに何かしたんじゃねえだろ
 うな……?それなら新羅が泣
 いてるのもわかるし)


 静雄は急いで着替えて、玄関
 を出る。急いで出てきた為、
 脱ぎ捨ててあったバーテン服
 を来ている。サングラスは机
 の上に置いたままだし、寝癖
 も直していない。


 走って、走って、
 走って、走って。

 静雄はようやく新羅とセルテ
 ィの住むマンションにつき、
 部屋へと向かう。インターホ
 ンを押すと、血相を変えた新
 羅が出てきた。

 「静雄!!」


 「何だ!?何があったんだよ
 !?」


 玄関のドアを開けるなり、新
 羅は静雄に駆け寄った。新羅
 から電話があった時の時刻は
 明け方で、肌寒い。真冬の早
 朝にバーテン服一枚で来たこ
 とに後悔しながらも、静雄は
 新羅の背中をさすった。

 明らかに新羅の様子がおかし
 い。

 とりあえず部屋に上がろうと
 、靴を脱ごうとして静雄は異
 変に気がついた。


 高いヒールや、子供用のブー
 ツ、運動 靴など、新羅やセ
 ルティが履くにはおかしすぎ
 る靴がたくさんあった。

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