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 部屋に入り、臨也はソファに
 嫌そうに座り、グラスに入っ
 た水を飲む。かちゃと閉まる
 鍵の音がして臨也の脳内に何
 故鍵をかけるのか、と疑問が
 うかぶ。

 「で、帝人君、話って?」


 「話なんかしませんよ?」

 「……は?」


 からん
 氷が割れて、静かな部屋に再
 び静寂がおとずれる。

 はめられた。

 ホイホイついてきた自分の馬
 鹿さに苛立ち、臨也は顔を附
 せて黙るしかなかった。


 「まさか臨也さん本気にして
 たんですか?笑えるんですけ
 ど」


 「……帰っていいかな?」

 「あ、鍵、さっき僕が閉めた
 じゃないですか?外からもか
 かってるし、出られませんよ
 」


 「……何がしたいのかな?」


 「ここで働いてるダラーズの
 人に頼んだんです。簡単にか
 けてくれましたよ」

 帝人は質問には答えず、座っ
 たままの臨也を見下ろし、両
 腕をロープで拘束しはじめた
 。


 「やめろ!」


 自分の体が思うように動かな
 いことに気付き、臨也はキッ
 と帝人を睨み付け、苛立ちを
 露にする。帝人は強引にロー
 プで腕を縛り、ふっと笑って
 みせた。そして、臨也の襟を
 つかみ地面に叩きつけた。

 「っ痛……っ…ッ…」

 がん、と音がして、臨也は床
 に倒れたまま動けない。帝人
 はそんな臨也の頭の上に、先
 程の水の入ったグラスを傾け
 た。水はグラスの口から漏れ
 て、臨也の頭にかけられた。


 「つめた……」

 「あは、臨也さん服濡れちゃ
 いましたね。脱がなくていい
 んですか?」


 「……っ誰が脱ぐか」

 「ああ、縛ってたら脱げませ
 んよね、ごめんなさい」

 帝人は臨也の頭を掴み、シャ
 ツを上までたくしあげた。ぶ
 ちっと髪が抜ける音がして、
 臨也の視界は痛さで涙がにじ
 みはじめる。

 「痛っ……あ…やめて…離し
 …っ」


 「いやです」


 臨也は髪をつかまれた状態で
 帝人を見上げる。普段となに
 ひとつ変わらない優しい笑顔
 で、彼は臨也のズボンに手を
 かける。


 痛い。体が動かない。声が出
 ない。体が熱い。飲んでしま
 った水に、変な薬でも入って
 いたのか、と臨也はぎりと唇
 を噛んだ。年下の餓鬼のいい
 なりになっている自分に更に
 腹が立つ。それと同時にパン
 ツも完全に下ろされて、腕ま
 でめくり上げられたシャツ以
 外は何も身につけていない状
 況になった。

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