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 一体何故こんなことになって
 いるのか。それはいつものよ
 うに二人が喧嘩をしている時
 だった。


 「いーーざーーやーーあ!!」


 「うわ……最悪……」


 静雄は臨也に殴りかかり、臨
 也はポケットから出した折り
 畳みナイフを、静雄の腹に突
 き立てた、のだが。


 からん

 本来ならば体に刺さり、血に
 染まっているはずのナイフは
 虚しく地面に落ちた。


 「…あぁ゙?臨也………?」

 静雄は突然の事態に息を飲ん
 だ。

 臨也が倒れるようにして抱き
 ついてきたのだ。


 「……臨也?なんだこいつ…
 死んだのか?」


 意味がわからない。わけがわ
 からない。

 静雄がパニクっている間にも
 、男性同士が街中で抱き合う
 という光景に周囲は注目しは
 じめる。


 「え!?何あれ!!ちょ、ま
 じ!?シズちゃん達らぶって
 る!!写メ!写メ!永久保存
 !きゃあぁあああああ」


 一部の野次馬達は歓声を上げ
 おり、テンションがあがる者
 も多数いる。


 (とにかくこの状況を何とか
 しなきゃだな………)


 静雄はナイフを拾い、臨也を
 抱き抱え、全速力で自宅へ向
 かった。

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