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□八霧波江の憂鬱
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それは私、矢霧波江が書類を
取りに臨也のマンションに向
かったときだった。
「書類忘れるなんて最悪」
波江は自分の上で働く(遊ん
でいる?)人間好きの男の顔
を思い浮かべながら玄関に入
った。
「「あ……っ、…だめ…、」」
「!??!」
(この声……あいつよね?)
我ながらタイミング悪いわね
、と思いながら、波江はわず
か3秒にして玄関を出た。
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