獣と人

□得体の知れない羊
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【葬偶】
・昨晩のバケツをひっくり返したような、季節はずれの土砂降りが嘘のような快晴に変貌した。
秋の乾いた風にはちょうど良い。
『何か収穫があるといいなぁ』
引っ越して来たばかりの私は無職
一応1ヶ月くらい食いつなぐ貯えはあるが、いつ要りようになるかわからない。
それ以前に猛獣マンションに1人越してきた私は神経が図太いのか、気がふれているのか人間世界の皆様からみれば奇知外だろう。
(でもあんな所にいるよりは…ね)
昔から危機感には強いというか鈍い私なら、何とかやっていけるはず……希望的観測だけど

ひとまず朗報を祈って嫌みなくらい澄み渡る青空を仰いだ。


…まさか凶時に見舞わようとは思いもしなかったが…
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