キリ番小説
□41114hit*好きすぎて、
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…おかしい、絶対おかしい。
思わず目の前の携帯を握りしめ、思いっきり睨む。
「どうしたの、篤姫。眉間にすごい皺だよ」
「由……」
顔をあげると、そこにはクラスメイトで篤姫の精神安定剤的役割を担ってくれている由が、いつもの癒しの笑顔ではなく不安そうな顔をして立っていた。
「いや……なんでも、」
「なんでもないわけが無いでしょう!」
…由、やっぱりお母さんみたいだ。
これ以上黙っていてもしかたあるまい。
それに由なら、素直に話したら真剣に聞いてくれるに違いない。
「……最近さ、」
それを合図に、篤姫はぽつりぽつりと話始めた。
「最近さ、貴翔先輩からメールがないんだ…」
「貴翔先輩から?」
休み時間の度携帯を開いていたのは、そういうことだったのか。
「うん…てかそれだけじゃなくって、なんか放課後はいつも俺の部屋に押しかけて来てたってのに、最近全然来ないし…休みの日に先輩の部屋行っても留守だったり」
「え、でも生徒会は?」
「うん、生徒会のときは普通なんだ。でも妙にそわそわしてるっていうか…」
そこまで言って篤姫は俯いた。
…僕の前では多少素直になるけれど、いつも強気の篤姫がこんなにも落ち込んでいるなんて…。