テニスの王子様部屋

□*浮気
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その日、私は授業に出るのが億劫で。
先生に気分が悪いと言って授業をサボった。
向かうは保健室ではなく屋上。

屋上にはきっと。

「じーんー」
「何の用だテメエ」
「サボっちゃった」
「珍しいじゃねーの」

従兄弟の仁が居た。
大抵、この屋上でサボって煙草を吸っている。

「……で、何だその目」
「目?」
「目の周り赤く腫れてんぞ」
「冷やし足りなかったかー」

仁は見た目と言動で誤解されがちだけれど。
案外優しい。
従兄弟だからかもしれないけれど。

「そう言や、最近千石がよく此処にくんぞ」
「っ……?!」
「鉢合わせるかもな」

ああ。
仁には何でもお見通しなんだ。

「なら仁が追い返してよ」
「彼奴が引くか」
「仁に物怖じしないで話し掛けるもんね」

仕方無い、と立ち上がる。

「大人しく保健室行く、また来るね」
「来るんじゃねーよ」

軽口を叩いて屋上を後にして保健室に向かう。

「先生気分が悪いので休ませて下さい」
「はい、体温計」

暫し待って体温計が鳴る。
何も確認しないで先生に渡した。

「あら、ベッド空いてるから横になる?」
「そうしまーす」

体温計を見た先生がそういった。
お言葉に甘えてベッドで横になる。
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