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□標的140
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黒曜ランドで1人で犬と千種の帰りを待っていたクローム。
しかしそんな彼女の前に現れたのはミルフィオーレ第8部隊長グロ・キシニアだった………
「………誰?」
「グロ・キシニアだ。
その様子だとタイムトラベル(状況)を理解(わか)っていないな。
さずしめ不思議の国に迷い込んだアリスというところか。
しかし10年前がこうもガキとは、熟したクロームの方が趣味だが…どれ」
「!!」
何も知らないクロームにフクロウをしまい、自己紹介した後、ブツブツと独り言を言うグロ・キシニア。
そして彼は一瞬でクロームの前まで来ると右手首を掴み、中指にはめている霧のリングを見る。
「何かに固めてあるのか?
こいつのせいでレーダーに反応がないのだな。
だが、間違ないなさそうだ。
リング、リング、ボンゴレリーング」
「痛いっ!!」
「いた〜いか」
「!」
「男に触られて嬉しいようだな。
ほおの赤みが欲情を隠しきれていないぞ」
「……?
生まれつき」
強く掴まれて大きな声でいえば、すぐに話してくれたグロ・キシニアだが、訳の分らぬ事を言ってきたので、クロームはそう答えれば、右目のすぐ横にある血管がビキンッと浮かび上がってきたのだ。
「出てって…
ここは私達の場所…
ここには骸様と犬と千種が帰ってくるの」
危険を感じたクロームはカバンから三又槍を取り出し、戦おうとする。
そんな彼女にグロ・キシニアは血管をピクピクさせながらやはり上等だとまたわけのわからない事を言い始めたのだ。
「一途な想いをぶち壊してトラウマ植えつけるのは胸が躍るぞ」
「……………?」
「いいか、少女クローム、その骸様は私に敗れた」
ピクピクと血管の浮き上がる数が増えてるグロ・キシニアに衝撃的な事を言われたクローム。
しかしクロームはうそと攻撃を仕掛けるが、あっさりかわされてしまう上………
「さあ、もっとその鈴の音のような声を奏でよ!!」
「ああっ」
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