ポケモソ・ゴシル

□好きで嫌いなマイラバー。
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「好きで嫌いなマイラバー。」



「嘘つき。大嫌いだ」
言葉と裏腹ににんまり、と形容するのが正しいんじゃないかってぐらいの意地の悪い顔をして、ゴールドは俺の首に抱き着いた。
「…嫌いなのに、抱き着くのか」
「そりゃ、好きだし」
早速矛盾。
ああ、矛盾だ。矛盾なのに堂々と笑う。
「シルバー、矛盾だと思うか?」
「そりゃ、な」
「でも、矛盾は矛盾、言葉は偽りだからな」
ゴールドはたまに急に掴め無くなる。
「意味が分からないな」
「だから、言葉は万能じゃないってことだよ」
相変わらずのにんまりとした笑顔のまま、ゴールドは俺の頬に口付けた。
「シルバー、俺が嫌いか?」
「…嫌いだ」
「じゃあ、突き飛ばせばいいじゃないか」
「…」
始めに会った時みたいにさ。
そう言ってまた笑う。
「…好きだからな」
「ほら、好きなんだろ」
ゴールドは、ボリュームの有る前髪をかきあげて、
「俺、シルバーのこと好きだから分かるんだよな」
と、取りようによっては勝手な発言としか思えなくもないことをさらりと言ってのけた。
「…言葉をもう少し選んだらどうなんだ?」
「ん?…伝わっただろ?全部じゃあないだろうけど、俺が伝えたかった事は分かっただろ?だから良いじゃねぇか。恋人」
俺は少しわざとらしくため息をついて見せた。
「親しき仲にも、」
「礼儀有り?…悪ぃけど、それはないな」
ゴールドは、俺の頬を両手で包むように目を合わせて、笑った。
「恋人には甘えたいだろ?」
だから、シルバーには甘えてるんだよ。と言いながら、ゴールドは俺の額に口付けた。
「こんなこと、バクフーンにもしないぜ」
なんて、耳元で囁かれるけれど、俺はわざと皮肉めいた笑いを浮かべて見せて、
「…俺も、ニューラにこんなこと、しない」
なんて言ってみせる。
「してたら、ブラストバーンだ」
するとゴールドは、そんなことを言うものだから。
「勝手だな」
「甘えてるんだよ」
「…」
「シールバー」
「何だ」
「好きだぜ?」
ゴールドは、俺の唇に指で触れる。
「世界で1番な。だからさ、」
「…勝手にしろ」
「…、シルバー、やっぱ俺が好きなんだろ?」
さっきまで指が触れていた所に、それより柔らかい唇が触れる。
「…」
返事代わりに、とりあえず頭を引き寄せた。



−−−−−
20100527

ゴールドはなんだかんだで気持ちを引っ掻き回すのが大好きな子だと思います。
変に器用だとたぎる…!
ふらりと現れてなんでもひっちゃかめっちゃかにしてふらりと居なくなるイメージが有ります。
シルバーはそんなゴールドにひたすら振り回されてればいいなあと思います。
結局強いのはゴールドだろうなあと!

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