命のナマエ

□(2)
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ハレン・・・


ハレンカツラギ・・・



どこからかあたしを呼ぶ声



ココニコイ・・・・



“ココ”が何処で何処からが“ココじゃない”んだろう



何が目的で なんで、“あたし”なの?



ワレノモトニコイ・・・




ねぇ、教えて。




貴方は誰。






02 trip
-トリップ-




あたしは目を覚ました。
教室には人の気配もなくて、そこにいるのはあたしだけだった。

どうやら、本を読んでいたら知らないうちに寝てしまったらしい。


きっと寝不足のせいなんだろう。


最近変な夢ばかり見て、すぐに起きてしまう。
その後、寝ようとすればするほど寝れなくなってしまうのだ。


「今も見た気がする。」


わずかにずきりと頭痛が走るが、治まることもなかった。
灰蓮は椅子から立ち上がり、重い足取りで教室を出た。


彼女の愛用の本は『指輪物語』というファンタジー小説。
持ち運びやすい単行本で全部で9冊。


昔の文章だからか、小説のなんと読みにくいこと!
それでも苦戦しながらなんとか読み進め、残るはあと数ページという所まで来た。


彼女はお気に入りのそれと教科書等が入った鞄を片手に階段を駆け下りた。


踊り場の窓から一番星が見ていて、夜に近付いていることが分かる。



(もうこんなに暗くなったんだ。早く帰らないと…。)



そう考えながら、最後の段に足がつくその時。



グィッッ



急に右足を引っ張られた感覚が走った。
突然の事に頭は真っ白ではあったが、焦りと嫌な緊張感が全身を伝う。


ぐらっ


たちまち、身体は前に傾く。
バランスを崩したためそのまま倒れこむしかなかった。
持っていたものは宙を舞い、数メートル先に飛ばされた。
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