命のナマエ

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挨拶をすませ、いざ出発。


レゴラスの後に続き、馬をゆっくり進行させる。


遠ざかる森の王国と、その王の姿。



「…ハレン。」


思わず歩みが止まった時、

レゴラスが振り返り、あたしを見つめた。


少しだけ、心配そうな瞳で。



「…うん、」



大丈夫とは、ちょっと紡げないけど。


泣いてないよ。


悲しいわけじゃないから。




「…いつか、また来れるといいな…」



楽しい思い出の詰まった場所。

再び訪れたら、懐かしいと思える場所。


まるで、故郷のような…―――。



「うん、また来ればいいよ。

私がいつだって案内するしね。」



「…うん。」


レゴラスがにこりと笑って言う。
その言葉にあたしは小さく頷いた。




一行は裂け谷へ向かう。


安全で全く不安もない快適なエルフの旅。


それを続けること数日間。


ついに待ち望んでいた再会が訪れる。


もう一人の最愛の人、ガンダルフはすでに裂け谷に滞在しており、
弟子の遅い到着を待ちわびていたのである。
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