螺旋短編

□sleepiness
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「ふぁぁ、眠いっっ・・・」

瞼が下がり、頭がぼーとして重くなる。
眠気に襲われた時の特有な感覚に陥った彼女は、あくびをしてから再び視線を上げる。


「少し、寝たらどうだ?」


明らかに眠そうな表情にアイズはピアノを弾くのを一時的にとめる。

ソファに座っている彼女は「そうしたいんだけどね…」と目の前にあるプリントの山を見つめた。


「もう少し、頑張る。」


眠さに必死に打ち勝とうと、シャーペンを持ち直す彼女の様子をアイズは見つめる。

ペンの先が紙につく。
しかし、きちんとした文字にならずただの線が上下した。

もうすでにウトウトとしている彼女は
、突然ハッとし意識を取り戻す。
シャーペンを再び持ち直してなおプリントに挑もうとしているが、いつまで持つだろうか…。


その様子にアイズはフッと笑ってから
自身のことに集中したのだった。


単独だった音は次第に連なり、
ひとつの音楽を作り上げて、
空気にのって部屋中を包み込んだ。



sleepiness

(穏やかな日々、安息の場所)

その調べが眠りを誘うのに時間はいらない
 

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