螺旋短編
□キミという光
6ページ/6ページ
あの頃はまだ不安で言えなかった言葉がある。
彼に一番望んで欲しくて、
彼に一番言ってあげたくて、
誰よりも何よりも、貴方に私が伝えたかった感謝と希望の言葉。
「アイズ、私…幸せだよ。
これからも幸せになろうね…。」
「ああ…。」
二人はぎゅっと手を握り締める。
誓いのように、幸せになる事を素直に受け入れられる今がある。
誰かが繋いだ希望が、より大きな希望を生むというのなら、
私は大好きな貴方と幸せになっていこう。
(…心から、幸せになるから。)
カノンとそれ以外の誰に向けたか分からない決意をこの胸に刻む。
この想いがまた広がって、誰かに届きますように。
私は信じ続ける。
生きていく限り。この命が続く限り。
生きよう、生き続けよう。
どんなに暗闇があろうとも、
未来を歩き続ける誰かのために、
その祈りと祝福があらんことを…。
キミという光