小さな本棚3

□もしも雲雀が暁だったら
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=デイダラ視点=






今日は最近知った雲雀の旦那について、リビングに今いるメンバーに聞こうと思う、うん。
オイラが知ってるのは、あの有名な木ノ葉の鬼神が雲雀の旦那だってことと、そんなしょっちゅうアジトにはいないってことくらいなんだ。
とりあえずまずはサソリの旦那に聞いてみるかな、うん。



「なぁ、サソリの旦那。雲雀の旦那ってどんなやつなんだい?」


「あ?雲雀?」



リビングで寛いでいた旦那は、そうだな…と言ってしばらく考えると、その眠たそうな目でデイダラを見た。



「群れ嫌いだ」


「……は?群れ……?」


「あいつ、群れを見ると咬み殺すんだよ。相手が誰だろうと、群れればもうそれは雲雀の咬み殺す対象になる」


「旦那……群れってどういう意味だい…?」


「あ?んなことも分かんねぇのか。言っちまえば人間の集団だ。人が二人以上一緒にいたらそれが群れだ」


「……要するに、雲雀の旦那は人混みが嫌いってことか?うん」


「あれは嫌いなんてもんじゃねぇ。
仲間であっても二人以上いれば群れ、部下であっても二人以上いれば群れ。咬み殺される」



人間関係関係なしかよ!



「じゃあなんだ……。たとえオイラたちでも……」


「二人以上でいたら戦闘開始だろうな」



旦那はしれっとそう言った。

雲雀の旦那の戦うとこは見たことねーけど、木ノ葉の鬼神だなんて言われてたぐらいなんだ。
聞くところによると、雲雀の旦那は棒術しか使わねぇみたいだし、しかも雲雀の旦那の武器は仕込みトンファーのみ。
鬼鮫の旦那の鮫肌みたいに何か特別な能力を持っているわけでもないらしく、
それだけで暗部総隊長を務めていたことを考えると、かなりの手練れだということは安易に分かる。



「……あれ…?じゃあもしかして、雲雀の旦那がコンビを組んでないのはまさか……」


「群れたくないからだ。たとえ二人であっても、自分が群れるのはとことんダメらしい」


「オイラを暁に勧誘しに来た時はサソリの旦那と鬼鮫の旦那、それからイタチと一緒だったのにか?うん」


「あぁ…あの時は大変だったなぁ。出発直前まで雲雀のやつ、リーダーと戦ってたからな。
ま、そのおかげで俺たちに被害がくることはなかったんだ。よかったなぁ、デイダラ」



もしリーダーと戦えず、怒り心頭のままだったら間違いなくお前は八つ当たりをされていた……、
と恐ろしいことを言われて思わず青ざめる。

ひ、雲雀の旦那って見た目とは裏腹に結構おっかねぇんだな……、うん…。
お茶飲んでると穏やかそうに見えんのに……。
それくらい、オイラと雲雀の旦那の対話数が少なくて関係が薄いっつーことか……。






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