小さな本棚3

□復讐者の大掃除
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「……主」


「きゃはははははは!!」


「……主」


「きゃはははははは!!」


「………。主!!」


「きゃはは!あ、なぁにぃ?どうかしたぁグワストぉ?」



ごろーん、と床に横になりながらグワストを見上げる復讐者最高責任者に、グワストは重いため息をつく。

復讐者の長と言えど、彼はまだ子供。

子供だから仕方ないかもしれないが、部屋中に散らばった書類と鎖などの拷問具、
お菓子などを見て、グワストは床に寝そべっている主を呆れたように見た。



「あのなぁ……ちゃんと片付けろって、俺昨日言ったよな?」


「片付けたよぉ。でもまた散らかっちゃったぁ」


「使い終わったらすぐ片付ける癖付けろって言ってんだよ…!ったく……、書類もこんなくしゃくしゃにして……」


「じゃあ後よろしくぅー」


「待て主!!ちゃんと片付けるまでこっから出さないからな!お菓子もしばらくお預けだ!」


「やだやだぁ!!それ僕のぉ!投獄にするよぉ!」


「職権乱用すんな!こんなんじゃあ変な虫湧いてくるぞ」


「それも気持ち悪ーいぃ……」


「ならちゃんと片付けろよ。俺はその間仕事片しとくから」


「……はぁーい」



それだけ言って出ていったグワストを見送り、少年はムスッと頬を膨らませる。

ちらりと見た自室は、グワストの言った通り物が散らかっていて大人の足の踏み場はない。
これを片付けるのかと思うと気が重いのか、少年は大きなため息をついた。



「めんどくさぁ……」



手始めに拷問具をぽぽーいと箱の中に投げ入れたり壁に立て掛けたりして、重たいものを先に片付ける。
それから、散らばった書類とお菓子を見て再び重いため息をついた。
しばらく立ち尽くしていた少年は、パッと顔を輝かせて携帯を取り出した。

扉前にグワストの気配がないことを確認して、電話をかける。



「今すぐ僕のとこに来てぇ。グワストには見つからないように気を付けて来てねぇ。じゃあ後でぇー」











電話をして五分もしない内に少年の元には、
包帯を顔中に巻き黒い帽子に黒いコートという普通ではない恰好をした三人の人物、復讐者が来ていた。
人間ではないような異質な雰囲気を漂わせる復讐者を前にしても、少年は子供らしい笑みを崩さなかった。
復讐者の長なのだから当たり前かもしれないが、その光景はかなりシュールなものだ。

少年は、やってきた自分の部下を見て、やっと来たぁ!と嬉しそうに笑う。











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