短編

□求め。
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俺は、甘党ヤローが大好きだ。


糖分摂ってないとダメな奴が大好きだ。




「はぁ…」


「土方さん、さっきからため息うざいんですけど、やめてくだせェ」


総悟に文句を言われた。




「黙っとけ」



「なんでィ?悩みですかィ」


「うるせぇ」



「恋ですかィ?」



「総悟黙ってろっつってんだろ」



「旦那ですかィ?」


「だから黙ってろっつってんだろ!」


大声をあげた


けれども総悟は


あっけらかーんとしていて



寧ろ、俺の恋バナを聞きたがっているようだった。




「告白すればいいじゃないですか」




「あのよう…」



ポケットからタバコをだし


ライターで火をつけ口にくわえる



息をはくと鉛色の煙がもくもくとたちこめた



「なんですかィ」


「俺とアイツは男同士なんだ、わかってるのか」


「知ってますよ?俺だって人の性別わかんねぇ程じゃないでさァ」


「そうじゃねぇよ!」




「じゃ、何なんでィ」


「だってアイツ男じゃなくて女が好きだろ?」



「疑問系でこられても困りますぜィ、俺は旦那じゃないですからね」



「一々うぜぇな」



「まぁ、案ずるより産むが易しでさァ」





そう言い総悟は


屯所の縁側から姿を消した。
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