短編

□ねぇ…
1ページ/4ページ


僕が好きな人はもう

いません…


もう…

いないんです。


僕のこと助けたからいけないんです

こんな僕を放っておけばよかったんです


そしたらあんな事にならならったのに



---…


キキィィィィッッ


耳をさすような五月蠅い音


車のタイヤが地面に食い込み


焦ってハンドルを捻る運転手


「ぇ…?」


ガードレールがない歩道にその車が乗り込んできた



信号待ちをしていた僕


いきなり僕の方やってくる


車…


焦ってしまい身動きが取れなかった



「危ないッッ!」


その掛け声とともに僕の身体は


弾き飛ばされて


尻もちをつく


すると


ドスンッと



何かにあたったような音がした


それも鈍く


だけども鋭い…


じんわりとひろがる血…



誰が僕の事を…


「ぁッ…あの…」


「龍希-リュウキ-…?だいじょ…ぶ……か…ぁ」



僕を助けてくれたのは…



僕の好きな人だった



ずっと憧れていて


ずっと思いを寄せていた



「絢平-ジュンペイ-?」


「よ…かた……怪我ぁ…してないか…?」



「うん、僕は大丈夫ッ…でも絢平がッ早く救急車呼ばないとッ」


急いで携帯をとりだし救急車を呼ぶ


「ぁッあの…----…」


場所を伝えあとは救急車がくるのを待つだけとなった
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ