長編

□俺の思い
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いやな夢



今にもおかしくなりそうで



辛くて


悲しくて



もう思い出したくない


過去、顔、声、匂い、優しい手のぬくもり






こんなことなら俺はしんでしまったほうがよかった



あんな奴に拾われた意味が分かんない




今でもやり直せる、そんな甘っちょろい考えはしない





やり直せる、そう考えたって



過去を背負っていく




記憶喪失にならない限り



おれはこの過去を一生背負い



思い出しては悲愴感に見舞われる





俺、、



おれ…



激しい痛み



今にも身体が裂けてしまいそうな





鋭く、鈍い痛み






「−…ん…さん…−−−す…」






誰だ


とぎれとぎれで何言ってっか分かんねぇ


「来栖さん!」



ハッとしたように目をあける



「っ…ぃ」



「よっ…よかった!生きていたんですね」


「ぁあ?」



顔を見ると…


ぇっと…



い、、壱悟だっけ



壱悟はいろんな場所に包帯を巻いていた。




俺は一気に朦朧としていた記憶が全部、走馬灯のように頭を駆け巡り






全てを思い出した


「っ!連中を…連中を!!!!」




起き上ろうとすると


痛みが襲い



ビリビリと痺れるようになる


「ぃてぇ…」


「それは、そうです。あんなに無理したから」


「うっせぇ、つかここどこ」


「ここは医療室です」


「んだそれ」


「来栖さんの傷が危なかったので緊急に、貴方のお父様が作っていました」



「あー」



そんなに酷い傷でわなかったと思う


つかそんな医療室なんか俺に必要でもない



「でもよかったです、このまま目を覚まさなければ…本当に死んでいたかもしれないのに」



「死ぬわけねぇだろ、つかそんなに寝てねぇし」



その言葉を言うと壱悟はハッとした顔をする


「あ?どした」


「そうですよね。寝ていれば時間なんてわかんないですよね」


「はぁ?意味わかんなねぇ」


「あの…来栖さん…貴方…1か月。植物状態だったんですよ」



「は?」


一か月…?


な、、何を言ってるんだ



可笑しいんじゃねぇの



そんな筈ねぇだろ
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