銀魂
□あったかい。
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今年も12月を迎えた。
寒い冬の真っ只中だ。
今年も江戸が白く染まる…はず…が
12月の中旬だってのに降る気配がない。
そして俺の恋人も真選組の仕事から
帰ってくる気配はない。
11月の下旬から出張でいない。
しかも結構大変な長引く仕事かもって言ってたんだよな。
今年の夏にやっと
口説き倒して手に入れた
可愛くて愛しい恋人は仕事人間だ。
そんな俺の恋人はというと、
今年の初雪は2人で見る初めての雪でもあるというのに
仕事に行っちまいやがった。
俺は2人仲良く雪がふった江戸を散歩でもして十四郎が寒いって言ったら俺が優しく手をとってさ、ギュって握って…
「銀…優しいな…来年の初雪も一緒に…」
てさ、ほっぺた赤くしながら言ったりなんかしちゃってさ!
…なーんて、頭ん中で段取り的なの立てたりしてたのにさ。
うるさいガキ共はお妙んとこに行って飯食ってくるって言っていないし。
…今日は1人かー…。
「はぁ」
思わずため息。
あいつ今頃何してんのかな。
電話してみようか。
ま、どーせ仕事中だろうな。
諦めるか。
「今日も雪ふりませんよーに!」
パンパンッ
両手を合わせて
十四郎が帰ってきてから
雪が降ることを
俺は願った。