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□卒業式
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卒業式
静まり返る体育館。
卒業証書を渡す校長、それを受け取る卒業生。
音もなく壇上から下り、証書を眺めながら自分の席へと戻る。
どんな顔をして自分は証書を見ていたんだろう、と
山本は小さく笑った。
となりの校舎から、眺める雲雀を知らずに。
†
「・・・雲雀は、卒業したあとどうするんだ?」
退屈な卒業式が終わると同時に、山本は屋上へと駆け上がった。
足を伸ばして屋上のコンクリートに座り、
鋭さを無くした、疑問だけの視線が山本に向けられる。
「・・・いきなりどうしたの?」
「卒業した後、雲雀はどうするのかなって。」
雲雀の隣に腰を下ろした山本が再度問う。
少し悩むような素振りをしてから雲雀は答えた。
「イタリアに行くよ。
沢田綱吉や赤ん坊についていけば、面白い物が見れそうだからね。」
より激しい激戦へと、身を投じることができる。
戦いを何よりも好む雲雀にとって、この上ない幸せ。
これから見られるであろう戦いに、雲雀は口角を吊り上げた。
「・・・君は、どうするの?」
今度は雲雀からの質問。
それに山本は、迷いわず答えた。
「ん、ツナ達について行く。」
その言葉に、雲雀が目を見開いた。
「野球は・・・どうする、の。」
震える声。
それに気づかない山本はすぐに答える。
「どーすっかな。
野球も好きだし、ツナたちと一緒にいるのも楽しいし。」
空を見上げる山本に、雲雀は小さく呟いた。
「君は、明るい世界が似合うから。」
「・・・へ、」
「・・・なんでもない。」
山本の質疑の声を無視して
ス、と立ち上がって雲雀は屋上から出て行った。
(これ以上、暗い世界に来ないでなんて)(今更、)
Fin
本日は学校の卒業式でした。
となりの男子はうるさかったけど、
先輩達の勇姿を見届けることができました。
雲雀さんはきっと、山本に暗い世界(=マフィアとか)に
来てほしくないんだろうな。
何よりも、明るい場所が似合う君だから。ってことで。
あ、山ヒバ書くの久しぶりだよなぁ・・・