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□現に溺れろ/夢に掬われ
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現に溺れろ

雲雀視点

―――ふとした刹那に、その意識は目覚めた。
「・・・」
シーツの海に溺れて眠っているのは、己の傍らにいる山本。
情事を終えた後とは思えぬほどの緩みきった顔でいる山本に、
雲雀は思わずクスリ、と笑う。
愛しげにその手で頭を撫でてやれば、
くすぐったそうに身じろぎする。
その顔が歪み、何の夢を見ているのかと気になるところだ。
「ねぇ、何の夢を見てるの?」
そんな、怯えきった顔で。
カタカタと頼りなさ気にシーツを握る手が震え始める。
「ひば・・・、り・・・」
「僕はここにいるよ。」
そっと、その手を握る。
「こわ、い・・・」
強く、握る。
「ねぇ、夢なんかに怯えてないで。」

「僕に溺れてなよ。」

伸ばした片手に殺気を纏わせれば、山本はすぐに意識を浮上させた。
普通なら、目を覚ますことのない弱い殺気だ。
リボーンに生まれながらの殺し屋と称されただけあって、
その神経は常に研ぎ澄まされているのだろう。
「ひばり・・・?」
驚いたような、戸惑うような顔で山本は問う。
「何の夢を、見ていたの。」
雲雀のその言葉に、山本は俯いたまま何も答えなかった。


終わり。


ストレートに言えばリア充でいろってこと・・・?
山本が何も言わなかった理由は次へ。
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