復活

□夏の屋上にて。(ヒバツナ)
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夏の屋上にて。


とある夏休みの昼下がり。

思った通り補習を受ける事になってしまったボンゴレ十代目こと沢田綱吉くんこと、通称ツナ。

只今屋上にて一人でのお弁当。

いつも一緒に食べている山本武と獄寺隼人はというと、獄寺は優等生、補習を受る心配はなし。

山本武は野球部のレギュラーで、部活を優先されていて補習から外されていました。

久々の一人でのランチタイムです。

すると・・・

「今日は群れてないんだね」

「はむぅ!!」

いきなり後ろから声をかけられ、口の中に入ってた玉子焼きを喉に詰まらせてしまった模様。

必死に胸を叩いています。

すると声の主が背中を叩いてくれました。

ごっくん。

助けがあって何とか死を免れた綱吉くん。

「あ、有難う御座いま・・す・・・」

力なくお礼を言うと、ゆっくりとジュースを飲み、ホッと一息。

大きな蜂蜜色の瞳にはうっすらと涙が滲んでいます。相当苦しかったのでしょう。

そんな様子を横目に、声の主である風紀委員長こと雲雀恭弥は綱吉くんの隣に腰を下ろした。

それと同時にツナの体がビクッと飛び上がって固まる。

そう。ツナは雲雀が大の苦手。何故なら並盛で最も恐れられている人物、それが雲雀恭弥なのだ。

「キミ、今日も補習?」

「ぇ・・・ぁ・・はぃ・・・」

ちょっとでも機嫌を悪くしたらダメだ。殺される。

必死に返事をしてみるけれどやっぱり声は小さく、どもってしまった。

仕舞に、今度は苦しさではなく、怖さで涙が溢れてきた。

ビクビク、うるうる。

何でこんな事になってしまったのだろう・・・。

早く帰ろう。家で、フゥ太やランボ達が待っている。確か遊ぶ約束してたし・・・。

でも体は心の叫びについて来れなかった様です。腰が竦んで動けません。はてさて、どうしましょう。

「君さ・・・」

「は、はいッ!!」

「そんなに僕が怖い?」

声をかけられてもやっぱり顔を上げる事はできなかった。

「え・・・と・・」

「もう目に涙ためてる」

そう言って雲雀はそっと指で涙を拭ってあげました。

そんな雲雀に対してツナはというと、普段の雲雀からは考えられない行動に驚いて呆気にとられていました。

大きな目をさらに大きくして雲雀を見ています。

そんな様子に雲雀は溜息をひとつ。

「今の君を咬み殺したりはしないよ」

そう言うとその場で頭の後ろで手を組み、寝転んだ。

昼寝しに来たのかな?なんて、ちょっと心に余裕が持てた様子の綱吉くん。腰も大丈夫そうです。

「君も寝なよ」

雲雀の思いがけない言葉に思わずお目々をぱちくり。

さぁどうしましょう・・・と言っても、せっかくの雲雀さんのお誘いを断るのもちょっぴり怖い。

ツナもゆっくりと寝転がりました。

本音を言うと、ちょっと雲雀さんと居てみたいな、なんて思ってたりするんですけどね。

だって今日の雲雀さんはいつもと違って見えたんですもの。

雲雀さんってこんなに優しいんだなぁとか、群れるの嫌いじゃなかったのかな?などなど。。。

ちらりと隣を見れば、小さく寝息をたてています。

寝るの早いなぁ、なんて思いつつ、つられて夢の世界へ旅立ちました。

目が覚めても隣に居て欲しいかも・・・、なんて夢見ながら眠るツナの寝顔は少し微笑んで見えましたとさ。



おわり。




+++後書きと言う名の言い訳+++

夏休みシーズンに書いたモノ。
ちなみに飛龍はツナみたく補習には奇跡的になりませんでした(ひゃっほぉい♪)←ぇ。

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