BLEACH-side story-#1(仮題)
□#1 序章
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十番隊隊舎―
「隊長〜!ただいま戻りました〜!」
織姫を連れた乱菊が、バンッ!と大きな音を立てて扉を開けた。
「松本ッ!お前仕事をほったらかしにしてどこへ行ってた!!」
眉間にしわを寄せながら叫んだのは、十番隊隊長日番谷冬獅郎。
真央霊術院創設以来の天才児で、あっという間に隊長の役職に付いた。
いつも副隊長の乱菊に振り回されがちで、日番谷の悩みのタネでもある。
そして今日も―
「もー!現世のお菓子をもらったから、隊長と一緒に食べようと思ったのに。ねぇ、織姫ちゃん!」
「は、はぁ…」
しかし日番谷の怒りはおさまらなかった。
「俺の質問に答えろ!どうしてお前はいつもそうやって何でも人任せに…」
……バタン。
貴賓室の扉が閉まる音がして、乱菊と織姫の姿は消えていた。
「人の話を聞けッ!」
一人執務室に残された日番谷の声が、虚しく響いていた。
「乱菊さん、何かすっごい怒ってましたけど…、謝らなくて良かったんですか…?」
織姫が心配そうに言った。
「いいのよぉ、隊長はいつもあぁだから!」
全く何も気にしてない様子で、乱菊は八ッ橋の箱を開けた。
あぁいう風にさせてるのは乱菊さんなんじゃ… と織姫は悩める日番谷を気の毒に思った。
その時、もう一度執務室の方でバンッ!と扉が開く音がした。