テキスト
□ごめんなさい
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俺が食堂に行ってみると、慎吾さんは丁度食堂を出た所だった。
「慎吾さんっ!」
俺は走るスピードを更に上げて慎吾さんに近寄って行った。
*ごめんなさい*
「迅?どうしたの」
俺が慎吾さんの傍まで行くと、慎吾さんはビックリしたような顔で俺の方を向いた。
「…あ…っの…」
「あぁ急がなくていいから。ジュース飲む?」
さすがに長い全力疾走で息も絶え絶えな俺に、慎吾さんが持っていたジュースパックを差し出して来た。
俺はそれをやんわりと手で押さえると、ぐっと膝に力を入れて姿勢を正した。
「あっ、の…っ慎吾さんっ!」
「ん?」
心配そうな顔で俺の顔を覗き込む慎吾さんに、本当に申し訳ない気になる。
とにかく、今は一刻も早く慎吾さんに真実を告げなければ!
「さ、さっき渡したクッキー、返してくださいっ」
「…………え?」
慎吾さんの表情が一瞬にして曇ってから、俺は言葉が足りなかったと慌てて次に言葉を言った。
「あっ違っ…あの、さっきのクッキー、実は砂糖と塩間違えて…っ」
「え?」
「だからっ食べられた物じゃなくて…っ」
俺は一生懸命慎吾さんに事情を話すけど、慎吾さんは黙ったまま。
うぅ、やっぱ怒ってんのかな
変なモン渡しちゃって…、…どうしようっ!
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