ショート

□拍手
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真柴迅について
仲沢の場合


部活が終わった後。
バッシャバッシャと、走る度にしぶきが上がる。
そのお陰で、ユニフォームのふくらはぎの部分なんか、泥でどろどろ。
またかーさんに呆れられるなぁ、なんて
思ったのが先か、迅がいい加減に転ぶぞー、と言ったのが先か。

俺は見事に抜かるんだグラウンドに頭からすっ転んだ。
前全体は茶色に染まって、ついでに言えば俺の顔も茶色に染まった。

「迅〜〜っ!!」
「だから気をつけろって最初から言っただろ〜、って、うわっこっち来んな!汚ねぇ!」

叫んで逃げる迅を追い掛けるのが楽しくなってきた頃、ついにキレた迅にゲンコツを喰らってしまった。

その後は、二人して大笑いして。




ねぇ、迅。
知ってる?



部活終わって、雨に浮かれて遊び回る俺に、大抵の人は呆れて放っとくんだよ。

その証拠に、今グラウンドには俺と迅以外いない。



ねぇ迅、



今、俺がどれだけ嬉しいか分かる?







20090418~20090927
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